2019.7.1受講生

「私の究極の夢は、介護美容を仕事にして広めて、最終的に自分の仕事がなくなること。」――渡邊明日香さん(24歳)

介護美容研究所に通う受講生さんに対し、入学のきっかけや将来の夢を伺うこの企画。今回は、毎週兵庫県から原宿まで通ってきてくださる渡邊明日香さんのお話をご紹介します。

週に1度の授業のために兵庫から23時発東京行きのバスで上京。早朝に新宿バスタに到着し、身支度をし、朝ごはんを食べて。木曜9時半からの授業に出席する渡邊さん。

「もともとバスで東京によく来ていたので抵抗はなかったんですが、新宿バスタができて前より遥かに便利ですね!17時に授業が終わって、深夜の夜行バスまで結構時間があるので、こっちの友人と食事したり、展示会に足を運んだり。空き時間も楽しんでます」

この辺りはいろいろ楽しいものがあるから、と軽やかに笑い、遠方からの通学について大変さを微塵も感じさせない渡邊さん。
そんな彼女は、物心ついた頃からファッションやメイクといった美容全般が好きだったそう。

「何が好きって、なりたい自分になれる、選択できるところ!メイクは洋服と同じで、選択の自由とか、変われる可能性を持っているから好きなんです。だから、私はタトゥーやピアスの穴は開けません。だって戻せなくなるから。今は可愛いイヤリングもタトゥーシールもたくさんありますしね。でも、しわくちゃのおばあちゃんになったら開けてもいいかなとは思っています(笑)」

朝、顔を「作る」時。一日の流れも考える。誰に会うのか。その人の目に映る自分は?どんな風に見てほしいのか?目上の人なら幼く見られすぎないように。友人なら互いに心地よくいられるように。自分の理想のイメージに近付けられると、その日1日を納得して過ごせる。窓ガラスに映る自分が「いい感じ」に仕上がっていると気分がいい、という彼女の台詞に、なるほど、と共感しました。

そんな渡邊さんが、大好きな美容の力を使って人の役に立ちたいと強く思う出来事が――。

美容は人の悩みを解決できる手段

「中学2年生の時、ずっと一緒にいた友達がリストカットをして悩んでいたんです。『傷跡が自分の視界に入る。冷静になると罪悪感に悩まされて、周囲にも奇異な目で見られる』・・・そうやって目の前で泣く彼女に、私は何もできなくて。無力だなと思いました。けれど、美容好きが高じてカバーメイクなどの世界を知り、もしかしたら私の好きな美容って、彼女のように悩む人たちの問題を解決できる力があるんじゃないか。彼女のような人たちに、選択肢や安心感を与えてあげられるのが美容なんじゃないかって気付いたんです」

大学では社会福祉学科へと進み、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得。
そして何と、卒論のテーマは『福祉と美容』。一貫して「美容の力を人に役立てたい」との想いを貫いてきた渡邊さんの信念が見て取れます。

「大学を卒業し、現在は資格を活かしながら湯灌師(=葬儀に際し、遺体を入浴させて洗浄する仕事。男性の髭剃りや女性のメイクを含む)の仕事をしたり、フリーでメイクやセラピーなどをしています。大学で福祉の勉強をしていた関係から、あるイベントでUbdobeの岡さん(弊社の特別顧問)にお会いしました。その繋がりで介護美容研究所を知ったんです。将来的には介護美容を一生の仕事にしたいと考えて、ここに通っています」

スクールに入ってみて、「仲間がいる」と思えるのがよかったという渡邊さん。

「たとえばお医者さんなら確固たる地位があるけど、介護美容のジャンルって新しいからまだ地位を確立できていませんよね。いわゆる不安定な状況ですが、仲間がいれば広めていきやすいなと思って。受講生さんの中には、もともと美容をやっていた方や介護士の方など様々な立場の方がいるから、幅広い角度から広めていけるなって感じていて、それが心強いです」

誰でも自由に取り入れられる「平等さ」が、美容の凄さ

「美容の凄いところは『平等さ』だと思っています。たとえば福祉はすべての人に幸せと社会的な援助を提供するという理念のもと、いろんな救済制度がありますよね。でも、困っている人全員がその恩恵にあずかれるかっていったらそうじゃない。制度の狭間で、救済の手段を使えない人もいます。だけど美容にはそういう壁がない。障害があろうが歳をとろうが、いじめられていようが、美容を使うか使わないかは自由です」

美容が当たり前に提供される福祉施設がどんどん増えたら、日本の未来は明るい!と笑顔で断言する渡邊さん。そんな彼女の夢を尋ねてきました。

「最終的な夢を話すと実は、今私がやりたい介護美容の仕事が、将来的には必要なくなること(笑)。本当の理想は介護美容が当たり前になって、私たちの出る幕がなくなった世界だと思っていて……極端ですけどね」

将来の介護美容のあり方についても、ひたむきに向き合う渡邊さん。その強い想いに対し、介護美容研究所はプラスに関わることができているでしょうか。

「もちろん!講師の先生がたくさんいるのがよいと思っています。それぞれの先生の考え、技術、アプローチがあって、でも目指しているところは一緒というか。誰が正しいか、どれが正しいかなんてわからないし、相性もある。色とりどりの選択肢があるのがいいと思うんです。身体を使った実践的な授業が多いのもありがたいですし、いつも楽しみにしているのは施設実習!やっぱり生身の人間がそこにいて、今その瞬間、私の隣にいる人を大切にしたいって思うから」

中2の時に悩んでいた彼女に対して、カバーメイクをする機会は実際にはやってきませんでした。けれど一生の仕事にしたいと思える気持ちをくれたことに感謝していると渡邊さん。

「もし入学に悩む方がいたら、個別ガイダンスに来て、ここに通っている自分をイメージしてみてほしいです。イメージできたら大丈夫!私もそうでしたから」

終わりに「介護美容研究所、頼りにしています!」と笑って話してくれた渡邊さん。優しさと聡明さを持ち合わせた彼女の期待に、全力で応えたいと強く思ったインタビューでした。

LINEで送る
Pocket
このエントリーをはてなブックマークに追加