2025.12.11お知らせ

介護美容研究所卒業生による能登半島地震の被災地での美容ケア支援第7回目を実施

介護美容研究所 卒業生のケアビューティスト13名による、能登半島地震の被災地・輪島市での通算7回目の“介護美容支援”が、2025年11月29日、30日に行われました。当日は整体・鍼灸の支援チームと連携し、ネイル・メイク・フェイシャル・フット/ハンドトリートメントなど“心をほぐすケア”を提供するボランティア活動を実施しました。
倒壊家屋の解体が進む一方、自宅再建は進みにくく、多くの住民が仮設住宅での不自由な生活を強いられている現地では、「この時間が嬉しかった」「地震があったけど、あなたたちに出会えてよかった」といった声が寄せられ、表情が明るくなる瞬間が見られました。
本記事では、現地の最新の生活状況と、介護美容が果たしている“心の再建”の役割をお伝えします。

被災地・輪島市の現状:解体が進む一方で進まぬ「暮らしの再建」

今回ケアビューティストらが訪れた石川県輪島市では、倒壊した家屋の解体がようやく進みはじめ、街には空き地が少しずつ増えつつあります。しかし、自宅再建は依然として難しく、多くの住民が仮設住宅での生活を続けています。
現地の様子からわかったのは、“住める”と“暮らせる”の間には大きな差があるということ。
浴槽の狭さ、洗面所の使いづらさ、一間しかない暮らし など、日々の生活で不便を感じる方は多く、精神的なストレスが蓄積しやすい環境が続いていました。

地域で施術を実施:整体・鍼灸と連携し、心をほぐすケアを提供

今回の活動では、整体・鍼灸の支援チームと連携し、輪島市内の4か所で施術を行いました。
介護美容チームは、ネイル・メイク・フェイシャル・フット/ハンドトリートメントなど、表情と心をほぐすケアを提供。
仮設住宅での不自由な環境が続く中、短い時間でも表情が明るくなる場面があり、“人に寄り添ってもらう時間”が住民の心のリラックスにつながっていることを強く感じました。

住民の声:「この時間が嬉しかった」笑顔と涙が入り混じるひととき

施術を受けた住民の方々からは、あたたかい言葉が多く寄せられました。
「この時間が嬉しかった」「地震があったけど、あなたたちに出会えてよかった」
といった前向きな声がある一方で、施術中に涙を流しながら
「家をどうするかまだ決められない」
「これからの暮らしが不安」
と胸の内を語られる方もいました。
ゆっくり話ができる相手がいない、心の負担を吐き出す機会がないという現状も、会話の端々から感じ取れました。

見えてきた課題:復興はインフラだけでは測れない“心のケア”の重要性

道路や建物などインフラの復旧は必ず進んでいきます。しかし、それだけでは本当の意味での復興とはいえません。
今回の活動を通じて強く感じたのは、被災地の復興には「心」と「生活」の再建が欠かせないということです。
仮設住宅での不自由さや先の見えない不安が続く中、気持ちを吐き出し、誰かに寄り添ってもらう時間が、住民の心の支えとなっていました。
介護美容は、単なる美容行為ではなく、“心の健康を取り戻すケア”として有効であることが改めて明らかになりました。

今後の取り組み

卒業生による能登半島地震の被災地・輪島市での介護美容支援は、今後も継続して実施してまいります。
介護美容研究所では、“美容による心のケア”が地域住民の安心や生活再建の一助となるよう、支援団体・自治体と連携した活動を引き続き進めます。
地域の誰もが“心に潤い”を感じ、日々のQOLが少しでも向上する社会の実現に向け、ケアビューティストとともに目指してまいります。