介護スタッフ1人でも回せる!少人数デイのレクリエーション設計術|人手不足でも無理なく続ける仕組み
「レクリエーションの時間は大切にしたい。でも、レクまで手が回らない……」
少人数で運営するデイサービスでは、そんな悩みを抱えることもあるのではないでしょうか。
送迎や入浴、食事、排せつなどの介助に加え、体調確認や記録、家族との情報共有など、介護スタッフの業務は多岐にわたります。
そのため、
「毎回違うレクを考えるのが大変」
「準備や片付けに時間がかかる」
「スタッフ1人では進行が難しい」
と感じることもあるでしょう。
少人数のデイサービスでは、毎回豪華な企画を用意するのではなく、準備や進行の負担を減らしながら、無理なく続けられる仕組みをつくることが大切です。
今回は、少人数のデイサービスでレクリエーションを担当する方に向けて、スタッフ1人でも進行しやすいレクの設計ポイントや具体例をご紹介します。
「レクの負担は減らしたいけれど、利用者さまには楽しんでもらいたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

少人数デイのレクリエーションは「頑張りすぎない設計」がポイント

レクリエーションというと、
- 季節に合わせた企画を考える
- 材料を準備する
- スタッフが司会をする
- 参加者全員を盛り上げる
といったイメージがあるかもしれません。
しかし、少人数デイで毎回このようなレクリエーションを行うのは、スタッフにとって大きな負担になってしまいます。
大切なのは、何をするかだけではなく、どうすれば少ない負担で実施できるかまで考えてレクを設計することです。
準備・進行の負担を減らす
まず意識したいのが、レクリエーションの前後にかかる時間です。
①準備が少ない内容を選ぶ
例えば、実施時間が30分のレクであっても、材料をそろえるのに15分、準備に10分、終了後の片付けに15分かかれば、スタッフにとっては1時間近い負担になります。
そのため、少人数デイでは、準備から片付けまでを含めてレクリエーションを考えることが大切です。
- 施設に常備しているものを活用する
- 使い捨てできる材料を取り入れる
- 事前準備に時間がかからない内容を選ぶ
- 短時間でも成立するレクを用意しておく
②レクリエーションの定番化
「毎回、新しいレクを考えなければならない」と思う必要はありません。
定番のレクリエーションをいくつか用意しておけば、スタッフがその日の利用者さまの様子を見ながら選びやすくなります。
例えば、
- 月曜日:脳トレ
- 火曜日:歌
- 水曜日:制作
- 木曜日:会話レク
- 金曜日:ゲーム
というように、大まかなパターンを決めておく方法もあります。
「今日はいつものクイズを少し変えてみよう」
「季節の話題を加えてみよう」
といった程度のアレンジでも、十分に新鮮さを出すことができます。

全員を同じように参加させようとしない
もう一つ大切なのは、全員が同じ方法で参加する必要はないと考えることです。
例えば、テーブルでクイズを行う場合を考えてみましょう。
答えを考えて積極的に発言する方もいれば、答えを聞いて楽しむ方もいます。
隣の方が答えを出すのを応援する方や、スタッフとの会話を楽しむ方もいるでしょう。
レクリエーションへの参加方法は、実際に手を動かすだけではありません。
「取り組む」「見る」「聞く」「応援する」「会話する」
こうした関わり方も、レクリエーションの一つの形です。
全員に同じことをしてもらおうとすると、スタッフ側の声かけや介助が増えてしまいます。
一人ひとりの状態や興味に合わせて、参加の仕方に幅を持たせることで、それぞれが無理なく楽しめる時間になります。
介護スタッフ1人でも回しやすいレク設計3つの工夫

ここからは、少人数デイのレクリエーションを考える際に取り入れたい3つの工夫をご紹介します。
①簡略化|準備や片付けの手間を減らす
最初のポイントは、レクリエーションそのものをシンプルにすることです。
「簡単なレク=つまらないレク」ではありません。
使う道具や工程を減らすことで、スタッフが利用者さまとの会話や見守りに時間を使えるようになります。
例えば、ホワイトボードを使ったクイズなら、必要なものはホワイトボードとペンだけ。
塗り絵なら、用意するのは塗り絵と色鉛筆程度です。
準備するものが少なければ、レクリエーションの直前でも実施しやすくなります。
- ○✕クイズ
- 塗り絵
- 合唱やカラオケ
また、「今日は何をしよう?」と迷ったときに、すぐ取り出せる定番レクセットをつくっておくのもおすすめです。
ホワイトボード用のペン、クイズの問題集、歌詞カードなどを一つのファイルや箱にまとめておけば、スタッフが変わっても使いやすくなります。
そして、片付けまで簡単にできることも重要です。
- 終わったらこの箱に戻す
- テーブルの上を拭くだけ
といったように、終了後の動作まであらかじめ決めておくと、スタッフの負担を減らせます。
②同時進行|見守りながら全体を把握できる形にする
2つ目は、スタッフが一人ひとりに付きっきりにならなくても進められる形にすることです。
少人数デイでは、同じスタッフがレクリエーションを進行しながら、利用者さまの様子を確認する必要があります。
そのため、一人ずつ順番に対応するよりも、できるだけ全員が同じ場所で参加できるレクリエーションのほうが進行しやすくなります。
例えば、テーブルを囲んで行うクイズなら、スタッフは前に立ったまま全体に声をかけられます。
- テーブル対抗のゲーム
- 座ったままできる運動
- 同じ材料を使った制作活動
また、テーブルの配置を工夫することもポイントです。
スタッフが利用者さまの様子を確認しやすいよう、視線が届く位置に座っていただくなど、レクの内容だけでなく見守りやすい環境もセットで考えるとよいでしょう。
③自走型|利用者さま自身が参加できる仕組みをつくる
3つ目は、スタッフがすべてを進行しなくても成立する「自走型」のレクリエーションです。
例えば、クイズをするときに、毎回スタッフが問題を出す必要はありません。
利用者さまの中にクイズが好きな方がいれば、「次の問題を出してみませんか?」とお願いしてみるのも一つの方法です。
もちろん、すべての方に役割をお願いする必要はありません。
大切なのは、できる方が、できる範囲で参加できる仕組みをつくることです。
- 利用者さまが出題するクイズ
- 得意な方に折り紙(制作)を教えてもらう
- 写真を見ながら思い出を話してもらう
こうした方法を取り入れると、利用者さま同士で教え合ったり、思い出を共有したりすることで、自然な会話が生まれることもあります。
スタッフにとっても、すべてを盛り上げようとする必要がなくなり、レクリエーションを進行する負担を軽減できます。

少人数デイで取り入れやすい「1人でもできるレクリエーション」(一例)
ここでは、比較的準備がしやすく、少人数でも取り入れやすいレクリエーションをご紹介します。
「スタッフ1人でできるレク」を探している場合にも参考にしてみてください。
ただし、実施にあたり、利用者さまの身体状況や認知機能、当日の体調などを考慮し、安全に実施・見守りができる内容を選ぶことが大切です。
①ホワイトボードを使った脳トレ

少人数デイで取り入れやすいのが、ホワイトボードを使った脳トレです。
準備するものが少なく、問題を変えるだけで何度も実施できるため、定番レクとして取り入れやすいでしょう。
- 「『あ』から始まる食べ物を3つ挙げてください」
- 「この漢字は何と読むでしょう?」
- 「昔の道具の名前を当ててください」
このように、さまざまな問題を用意できます。
特におすすめなのが、利用者さまの世代に合わせたテーマです。
昔のテレビ番組、流行した歌、昔の食べ物、地域の名物などを題材にすると、単なる脳トレではなく、会話のきっかけにもなります。
また、答えがすぐに出なくても急かさないこともポイントです。
正解することよりも、考える時間や周囲との会話を楽しめるように進めてみましょう。
②季節を感じる制作活動

制作レクリエーションも、少人数のデイサービスで取り入れやすい方法の一つです。
制作活動の魅力は、全員が同じペースで進める必要がないことです。早く完成した方は次の作品に取り組んでもよいですし、ゆっくり取り組みたい方は自分のペースで進めることができます。
- 壁面飾り
- 季節のカード
- メッセージカード
ここでも、スタッフが一人ずつ付きっきりにならないよう、できるだけ工程を簡単にしておくことがポイントです。
例えば、複雑な作品を一から作るのではなく、
- 台紙に好きなパーツを貼る
- 好きな色を選んで飾る
など、利用者さま自身が選択できる工程を取り入れるとよいでしょう。
完成した作品を施設内に飾れば、レクリエーションの時間だけでなく、その後も季節感を楽しめるというメリットがあります。
③回想法を取り入れた会話レク

道具をほとんど使わずにできるレクリエーションを探している場合は、昔の写真や出来事をテーマにした会話レクもおすすめです。
例えば、
「昔の夏休みはどのように過ごしていましたか?」
「子どもの頃に好きだった遊びは何ですか?」
「生まれた地域はどんなところでしたか?」
など、身近なテーマから話を広げてみます。
スタッフにとっても、普段の会話だけでは知らなかった利用者さまの経験や得意なことを知る機会になるでしょう。
人手不足でも回るレクにする3つの設計ポイント

ここまで紹介したような内容を取り入れるだけでなく、日々のレクリエーションそのものの考え方を少し変えることも大切です。
①スタッフが「楽しませる人」になりすぎない
レクリエーションというと、スタッフが司会者のように進行し、利用者さまを盛り上げる必要があると思ってしまうことがあります。
しかし、毎回スタッフが大きな声で進行し、話題を提供し、全員に声をかけ続けるのは大変です。
そこで、
- 司会進行を頑張りすぎない
- 利用者さま同士の会話を活かす
などを意識しながら進行していきます。
スタッフがすべてを提供するのではなく、利用者さまが話す、選ぶ、教えるといった場面を増やすことで、スタッフの負担を減らしながらレクリエーションを進められます。
②全員を参加させようとしない
「せっかく準備したから、全員に参加してもらいたい」と思うのは自然なことです。
しかし、利用者さまの中には、その日の体調や気分によって「今日は見ていたい」という方もいます。
そんなときは、無理に参加を促す必要はありません。
- 横で見守る
- みんなの会話を聞きながら過ごす
- レクに参加している方を応援する
- 途中から参加する
このように、さまざまな参加方法を認めることで、利用者さまにとっても無理のないレクリエーションになります。
また、スタッフが一人ひとりに「参加してください」と声をかけ続ける必要も少なくなります。
③「レクの時間」だけでなく、普段の関わりを活かす
レクリエーションのために、毎回新しい材料や企画を用意する必要はありません。
普段の会話や利用者さまの得意なことを、そのままレクリエーションにつなげる方法もあります。
例えば、歌が好きな方がいれば、
「今日は○○さんの好きな歌をみんなで歌ってみませんか?」
と声をかけます。
料理が好きだった方がいれば、
「昔はどんな料理をつくるのが好きでしたか?」
と話を広げてみましょう。
こうした、その人を知ることそのものが、レクリエーションの題材となり、利用者さまが主体的に参加できる機会が増えます。
新しい企画をゼロから考えるのではなく、利用者さまの日常やこれまでの経験をレクの材料にすることで、スタッフが提供する時間から利用者さまと一緒につくる時間へと変化することもできます。
介護美容を取り入れたレクリエーションという選択肢

レクリエーションの内容を工夫するだけでなく、外部のサービスを活用している施設が増えてきています。
例えば、ケアビューティストに依頼し、美容を取り入れたレクリエーションを行うという方法があります。
メイクやネイル、ハンドトリートメントなど、美容を楽しみながら会話をしたり、利用者さま同士で交流したりすることで、普段とは少し違ったレクリエーションの時間をつくることができます。
「スタッフだけではレクリエーションの企画や進行まで手が回らない」
「いつもとは違うレクリエーションを取り入れてみたい」
という場合には、こうした外部サービスを活用するのも一つの方法です。
また、介護美容を受ける側だけでなく、介護美容を提供する側に興味を持つ方もいるかもしれません。
「美容を通して高齢者の方と関わる仕事がしたい」
「自分も介護美容のレクリエーションを行う側になってみたい」
という方は、ケアビューティストという仕事について知ってみるのもよいでしょう。

「1人でもできるレクリエーション」は、スタッフを1人にすることが目的ではない

ここで一つ注意したいのは、「1人でもできるレクリエーション」という言葉の捉え方です。
これは、どのような利用者さまでも、必ずスタッフ1人で対応できるという意味ではありません。
介護現場では、利用者さまの身体状況や認知機能、当日の体調などによって、必要な見守りや介助の程度が異なります。
そのため、安全面に不安がある場合や、複数の利用者さまへの対応が必要な場合には、無理にスタッフ1人で実施する必要はありません。
大切なのは、スタッフの人数に合わせてレクを諦めるのではなく、今いるスタッフでも安全に実施しやすい形にレクを設計することです。
例えば、
- 座ったまま参加できる
- 全員を一か所で見守れる
- 道具をほとんど使わない
- 利用者さまが自分のペースで取り組める
- スタッフが付きっきりにならなくても進めやすい
といった条件を意識するだけでも、選べるレクリエーションの幅は広がります。
「1人でできる」というよりも、「少人数のスタッフでも回しやすい」ことを目指して考えると、より現場に合ったレクを考えやすくなるでしょう。
まとめ|少人数デイのレクは「続けられる仕組み」が大切
少人数デイのレクリエーションで大切なのは、スタッフにとっても利用者さまにとっても、無理なく続けられることです。
「簡略化」「同時進行」「自走型」を意識してレクを設計することで、人手不足の状況でも、利用者さまに楽しんでもらえるレクリエーションを無理なく実施しやすくなります。
また、利用者さまの得意なことやこれまでの経験、普段の会話を活かせば、特別な準備をしなくても自然な交流を生み出すことができます。
少人数だからこそ生まれる会話や、一人ひとりに合わせた関わりを活かしながら、スタッフと利用者さまが一緒に楽しめる、無理なく続けられるレクリエーションを見つけてみてください。
介護美容を学ぶなら専門スクールがおすすめ

介護美容研究所は、高齢者向けのヘア・メイク・ネイル・トリートメントなどの施術技術を学ぶことができるプロスクールで、卒業後はケアビューティストとして活動することができます。
現在、全国6エリアで展開(東京〔原宿・代々木〕/横浜/大宮/名古屋/大阪〔梅田・心斎橋〕/福岡)しており、3,700名以上の卒業生を輩出しています(2026年9月現在)。
実践的なスキルを学ぶ現場実習のほか、卒業後の転職サポートも提供しており、学ぶだけでなくキャリアを築くためのサポートが充実しています。
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