介護美容の現場で、ケアビューティストが“選ばれ続ける理由”
介護美容現場のリアル|思い通りにいかないからこそ、学べること

介護美容の現場は、予定通りに進むことの方が少ない仕事です。
認知症、急な外出、体調の変化。こちらがどれだけ準備していても、「今日はできない」が当たり前に起こることがあります。
今回の対談では、そんな“現場のリアル”も率直に語られていました。
せっかく訪問したのに、いない——は日常茶飯事

昨日も10時に行ったら、病院に行かれていて不在だったんです。
定期訪問であっても、通院やご家族との外出で不在、ということは珍しくありません。
しかも、認知症のある方ご本人が「今日はネイルの日」と把握できているとは限らない。

体調不良じゃなくて、いつもの通院日だったみたいで。
こうした場合、その場で判断し、関係者全員と調整する必要があります。
- 施設に状況を確認
- ご家族に連絡
- 入浴・往診の予定を避けて再調整
「美容をする」以前に、段取り力が問われる現場です。
自宅訪問でも、ドタキャンは起こる

目の前まで来たのに、今日はできませんって電話が来ることもあります。
訪問美容では、家族の予定変更や、付き添いの都合で直前キャンセルが起きることもあります。

仕方ないか、また来ますって帰ることも結構ありますね。
ここで必要なのは、感情を引きずらないこと。
介護美容は、相手の生活が最優先の仕事です。
だからこそ、事前確認を“徹底する”という選択

私はもう、リマインダーがすごいんですよ。
米田さんは、「行ってみたらいなかった」という事態を減らすために、
事前確認を徹底するスタイルを取っています。
- 当日の朝に電話で確認
- 訪問の数時間前にも再度連絡
- 直前(15分前)にも「今から向かいます」と一報

本当に大丈夫? 行ける? って、何回も確認します。
これは、「疑っている」わけでも、「念を押している」わけでもありません。
認知症のある方にとって、「今日」「10時」「ネイルの日」という情報が、途中で抜け落ちてしまうことは珍しくないからです。
確認は、相手のためでもあり、自分のためでもある
事前に確認を入れることで、
- ご本人が安心できる
- ご家族が予定を思い出せる
- 施設側も段取りを整えやすい
そして何より、自分自身が無駄に落ち込まずに済む。
介護美容の現場では、「起きてしまったこと」に感情を向けるより、起きにくくする工夫を重ねていくことが、長く続けるコツになります。
施術そのものが、思い通りにいかない現場
認知症のある方への施術では、技術以前に、状況対応が求められます。

常に手が動いている方にネイルをしないといけない。
座る場所が変わる、セッティングの時間が取れない、途中で動いてしまう。

行き当たりばったりで、その場で判断するしかない。
ネイルアートを描き直すこともあれば、想定より大幅に時間がかかることもあります。それでも、安全を最優先しながら、最後までやり切る。
ここには、美容技術だけではない介護の視点と判断力が必要です。
レクリエーションは、さらに難易度が高い
施設での美容レクリエーションは、個別施術とはまた違った難しさがあります。

待ちきれずに並んでしまったり、途中で帰ってしまったり。
人数が多くなればなるほど、空気づくり、進行、盛り上げ方が重要になります。

美容だけやってても、引きつけられないなって思いました。
試行錯誤を重ね、エンタメ要素を取り入れながら、「お金をいただくレクリエーション」として成立させていく。
これは、経験からしか身につかない力です。
編集者コメント|トラブルをゼロにするのではなく、「備える」
ここまで読んで、「大変そう」と感じた方もいるかもしれません。
でも、3人の話から伝わってくるのは、完璧に防ぐことを目指していないという姿勢です。
- ご本人が不在のこともある
- 施術が予定通り進まないこともある
- 思い通りにならない日もある
その前提に立ったうえで、
- どう確認するか
- どう切り替えるか
- どう次につなげるか
これらをそれぞれが工夫しています。
介護美容は、「予定通りに進める仕事」ではなく、 相手の生活に合わせて、柔軟に対応する仕事。
だからこそ、現場での経験そのものが、確かな力として積み重なっていくのです。

介護美容の仕事を、続けたい理由

介護美容の現場は、決して楽なことばかりではありません。
予定通りにいかない日もある。思うように進まない施術もある。体力的にも、気持ち的にも、しんどい瞬間は確かにあります。
それでも、 3人はこの仕事を続けています。
なぜなのか。その理由は、とても感情的で、そしてとても人間的でした。
「元気を与えに行って、元気をもらって帰る仕事」

元気を与えに行っているようで、逆にいつも元気をもらうことばっかりで
介護美容は、誰かをケアする仕事です。
でも実際には、ケアしている側が、ケアされているそんな感覚になる瞬間が、何度も訪れます。

自分のことを必要としてくれる人がいるって、すごく大きい。
この仕事を通して、「自分は、ここにいていい」そう実感できる時間が、確かに存在しています。
「働くことが、楽しいと思えた」

朝起きて、今日も楽しい。夜も、今日も楽しかったって思えるんです。
三澤さんは、 長く会社員として働いてきました。
やりがいはある。でも、ずっと続けたいかと言われたら、違った。

ストレス9割、楽しさ1割みたいな働き方でした。
介護美容の仕事に出会い、勇気を出して一歩踏み出したあと、感じたのは意外なほどの幸福感でした。

14年働いてきた時間より、ずっと短い時間で幸せになれました。
美容が「贅沢」から「ケア」になる未来

これからは、美容=ケアになっていくと思っています。
子どもから高齢者まで。障害のある方も、忙しい人も。美容は、 一部の人のための贅沢ではなく、心を整えるケアとして、 社会に必要とされていく。

ケアビューティストって、可能性の塊だと思います。
編集者コメント|それでも、この仕事を選び続ける理由
3人の話を聞いて感じたのは、「使命感」や「立派な志」ではありません。
もっとシンプルで、 もっと正直な理由でした。
- 誰かに必要とされている実感
- 働くことが、苦じゃない日常
- 自分らしく生きている感覚
介護美容は、人生を一変させる仕事かもしれません。
でもそれは、特別な人だけの話ではなく、「自分に合う場所を見つけた人」の話です。
もし今、働き方や将来に迷っているなら。
この仕事が、あなたにとっての居場所になる可能性も、きっとゼロではありません。
これからケアビューティストを目指す人へ

この記事を読んでいるあなたも、きっと今、こんな気持ちを抱えているのではないでしょうか。
「やってみたいけど、不安」
「何から始めたらいいかわからない」
「自分に向いているのかな」
3人も、まったく同じところからスタートしていました。
一歩目は、小さくていい

一歩がいちばん大変。でも、本当に何でもいいんです。
名刺を作る。手書きのチラシを配る。近くの施設に声をかけてみる。
完璧じゃなくていい。マイペースでいい。
止まらずに、一歩出ること。それだけで、景色は変わり始めます。
考えすぎるより、動いてみる

頭で考えるより、できることから動いた感じでした。
BtoBの営業が初めてでも、右も左も分からなくても、動いた先で学べばいい。今は、先輩の話も聞ける。相談できる人もいる。一人で抱え込む必要はありません。
もう、最初の一歩は踏み出している

介護美容研究所の門を叩いた時点で、もう大きな一歩を踏み出しています。
女性は、守るものが多いからこそ、 一歩が怖くなる。
でも、「何のためにこの道を選んだのか」その原点に立ち返れば、答えは見えてきます。

まとめ|動画と記事を通して伝えたかったこと

今回、動画とこの記事を通してお伝えしたかったのは、「成功している特別な人たちの話」ではありません。ケアビューティストという仕事が、すでに“現実的な選択肢”として存在しているという事実です。
ケアビューティストの働き方は、一つじゃない
サロンと訪問を両立する人もいれば、訪問に特化し、地域に根づく人もいる。
介護美容を軸に、複数の仕事を組み合わせている人もいます。
共通しているのは、「誰かと同じ道を歩いているわけではない」ということ。
ケアビューティストの働き方に、あらかじめ決められた正解はありません。
現場には、きれいごとだけじゃないリアルがある
せっかく訪問したのに不在だったり、思い通りに進まなかったり、
段取りや調整に追われる日もあります。
それでも3人がこの仕事を続けているのは、「大変さ」を上回る意味や手応えが、現場にあるからです。
リアルな苦労があるからこそ、この仕事は“続いている”のだと思います。
続けることで、仕事は「育っていく」
介護美容の仕事は、一度きりで終わることの方が少なく、定期的な訪問や、紹介、法人内での広がりへとつながっていきます。
それは、頑張って営業した結果というよりも、現場での関わり方が評価されている結果。
続けることで、仕事が「増える」のではなく、仕事として根づいていく。そんな特徴を持った仕事です。
ケアビューティストが「当たり前」の世界へ
3人の話を聞いていて感じたのは、ケアビューティストが「珍しい存在」ではなくなりつつあるということ。
美容=贅沢ではなく、美容=ケアとして受け止められ始めている現場。
ケアビューティストが来ることが、 特別なイベントではなく、日常の一部として受け入れられている世界が、すでに少しずつ広がっています。
この記事を読んで、
「自分にもできるかもしれない」
「この仕事、現実的かもしれない」
そう感じたなら、それ自体が、最初の一歩です。ケアビューティストが当たり前に存在する世界は、もう“これから”の話ではありません。
すでに、始まっているのです。
介護美容を学ぶなら専門スクールがおすすめ

介護美容研究所は、高齢者向けのヘア・メイク・ネイル・トリートメントなどの施術技術を学ぶことができるプロスクールで、卒業後はケアビューティストとして活躍することができます。
現在、全国6エリアで展開(東京〔原宿・代々木〕/横浜/大宮/名古屋/大阪〔梅田・心斎橋〕/福岡)しており、これまでに2,900名以上の卒業生を輩出しています(2025年10月現在)。
実践的なスキルを学ぶ現場実習のほか、卒業後の転職サポートも提供しており、学ぶだけでなくキャリアを築くためのサポートが充実しています。
介護美容研究所では、介護美容に興味を持ってくださった方を対象に、カリキュラムの内容や講座料金などの詳細を記載したパンフレットを無料でお送りしています。
興味のある方は、まずは無料で資料をご請求ください。


