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【保存版】冬の帰省で役立つ+1!高齢の親が喜ぶ持ち物リストと介護美容ケア

中世古祐里

12月に入ると、「帰省 持ち物」「帰省 手土産」と検索をしながら帰省準備を進める人が増えてきます。
そんな中、意外と抜け落ちやすいのが”高齢の親へのケア“という視点です。

「離れて暮らしているから、様子がわからない…。」
そんな不安を感じている方にとって、帰省の数日間は、家族の変化に気付くことができる絶好のタイミングです。

特に冬は、乾燥や冷えなどによって高齢者の肌・身体・心に大きな負担がかかる季節となります。

この記事では、介護美容の視点や現場での実践例から、冬の帰省時に「高齢の親が喜ぶ持ち物」や、乾燥・冷え対策として役立つ介護美容ケアをわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること
  • 帰省の時に親が喜ぶ”冬の持ち物リスト“
  • スキマ時間にできる簡単な介護美容ケア
  • なぜ高齢の親に介護美容ケアが必要なのか
  • 家族のQOLを上げる”帰省の過ごし方”が理解できる

帰省×親のケア:冬は「高齢の親の変化」に気付きやすい季節

12月上旬から、帰省の準備を始める方が増えてきます。

一般的な帰省準備(一例)
  • 新幹線や飛行機のチケット手配
  • 防寒着・冬の便利アイテム
  • 使い慣れた日用品
  • 家族や友人への手土産

しかし、親が高齢の場合、冬は体調の変化が起きやすい要注意シーズンです。

  • 手がカサカサしている
  • 肌が荒れている
  • なんとなく疲れて見える
  • 冷えで身体を動かすのが大変そう
  • 生活リズムが以前と違う

このように、高齢者は身体の水分量が少ないことや、体温調節のしづらさ、免疫力低下などから、冬のトラブルは起きやすく、介護現場でもよくみられる傾向があります。

今年の帰省は「ただ会うだけ」ではなく、「親の変化に気付き、支える時間」と捉えてみると、家族へのケアを考えるよいきっかけにもなり、持ち物リストも大きく変わってくるかもしれません。

冬の帰省の持ち物:高齢の親が喜ぶ冬ケアアイテム5選!

ここでは、持ち物リストに追加しておくと喜ばれる、冬の親ケアアイテムを介護美容の視点からいくつかご紹介します。どれも手軽に使えるものばかりで、プレゼントとしても喜ばれます。

保湿アイテム:高齢者に必須の”皮膚バリア“

高齢者の肌は乾燥すると赤み・かゆみ・ひび割れを起こしやすく、そのまま放置すると傷になったり、感染リスクにもつながります。
また、高齢者の肌は想像以上に水分が失われています。手先や踵、顔はとくに乾燥が進み、トラブルが多くみられます。

そんな時には、さっと手軽に使用できるボディクリームやリップクリームの出番です。

おすすめ保湿アイテム(一例)
  • 無香料または微香料のもの
  • 敏感肌でも使えるタイプ
  • 手・顔・足など全身に使える
  • ワセリン系の保湿力の高いもの

「手を出して」と声をかけて、軽く塗るだけでもタッチング効果で安心感を与えることができます。

温活グッズ:手軽に冷え対策

冬の冷えは高齢者にとって大敵。冷え対策は転倒予防にもつながり、高齢者のケアにもぴったりのアイテムです。

冬の冷えは、

  • 転倒リスク
  • 関節の痛み・こわばり
  • 睡眠の質の低下

など、さまざまな不調を引き起こします。
そんなときは温活グッズを上手に使うことで、生活の負担を軽減する効果が期待できます。

おすすめ温活グッズ(一例)
  • 腹巻/レッグウォーマー
  • ルームシューズ/厚手の靴下
  • 充電式カイロ/湯たんぽ
  • 保温マグカップ

ポイントは、「軽い・使いやすい・安全」。
また、実用性だけでなく、見た目がおしゃれなものを使用することで気分も上げることができます。

食品・ドリンク:身体の内側からポカポカに

料理や飲み物はハードルが低く、高齢の親も受け入れやすいアイテムのひとつです。

冬のおすすめ食品ギフト(一例)

  • お湯をそそぐだけの薬膳スープ
  • カフェインが少なめのハーブティー
  • ジンジャーシロップ
  • ホットで飲める甘酒

手間のかからない、すぐ食べられる・すぐ飲めるものは高齢の親に人気です。
また、こうした食品類は冬の食欲低下・免疫力低下の対策としても役立ちます。

ネイルケア用品:清潔感と自己肯定感UP

手元は視界によく入る部分のひとつです。指先のカサつきが改善されたり、爪に艶が出るだけでも自己肯定感が上がります。

持ち運びも手軽なネイルケア用品(一例)
  • キューティクルオイル
  • ハンドクリーム
  • 爪やすり/ニッパー

ネイルケア用品は小さいポーチにまとめて運ぶことができるので、気軽に準備がしやすいケアアイテムのひとつです。

入浴剤:温め+リラックスの介護美容アイテム

入浴はただ身体をあたためるだけでなくリラックス効果も期待できます。

入浴で得られる効果(一例)
  • 身体を芯から温める
  • 血行促進
  • 睡眠の質アップ
  • リラックス効果

このように、嬉しいメリットが多くあります。

保湿成分入り・炭酸系・香り重視のタイプなど、親のトラブルや好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
「今日はこれを入れてみよう」と一緒に選ぶ時間が、親とのコミュニケーションのきっかけにもなります。

【冬の入浴時に気をつけたい!ヒートショックとは?】

介護美容の視点からも、冬の入浴は「身体を温めてリラックスできる大切な時間」である一方で、温度差によるヒートショックには注意が必要です。温かい部屋から寒い脱衣所へ移動し、その後熱い湯船に入ることで、血圧が大きく変動しやすく不整脈や心筋梗塞、脳卒中を引き起こすリスクが高まることがあります。
室温管理や湯温をぬるめに調節するなど、安心して入浴できる環境づくりをすることで、冬の入浴時間をより快適に過ごすことができます。

参考文献:
寺岡純子,2021,「冬の対策できてますか?高齢者の冬の健康管理・気をつけたいこと」,ハートページナビ,(2025年12月16日取得,https://www.heartpage.jp/contents/magazine/08-00493
内閣府政府広報室,2025,「交通事故死の約3倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」,政府広報オンライン,(2025年12月16日,https://www.gov-online.go.jp/article/202111/entry-9952.html#firstSection

簡単5分!帰省中にできる高齢の親への介護美容ケア

介護美容は、見た目を整えること以上に「心に寄り添うケア」です。
触れて、気にかけて、声をかける――これらは離れて暮らす高齢の親にとって

  • 「大切にされている」
  • 「自分を見てもらえている」

と実感でき、心の安心そのものとなります。

また、丁寧に触れて優しくケアをすることは、心を満たす一番の近道です。
思いやりを形にできる時間として、家族の関係性そのものをあたためてくれます。

ここでは、帰省中のスキマ時間でできる、実践しやすい介護美容ケアをご紹介します。

足湯で血行促進

洗面器にお湯を張り、5分程温めるだけで血流の改善を促します。
足先の冷えや強張りが和らぎ、リラックス効果も期待できます。

温タオルで顔と手を温める

お湯につけて硬く絞ったタオルを顔や手にのせ数分おいたあとに、クリームで保湿するだけのお手軽ケア。
乾燥対策+血行促進+リラックス効果が同時に叶います。

足のトリートメントとかかとの保湿ケア

足のむくみやかかとのひび割れは、日常生活でのちょっとした痛みや歩きにくさの原因になります。
クリームでふくらはぎを優しく揉んだり、かかとを包み込むように塗り込むだけでも、トラブルの防止につながります。

爪のケアで清潔感もUP

高齢者の爪は乾燥によって割れたり欠けたりしやすいものです。
爪用オイルを塗ることで、割れ・欠け・ささくれの予防につながります。
「爪がきれいになったね」と声をかけるだけで気持ちも明るくなります。

好きな香りのアロマで気分転換

柑橘系やラベンダーなどの優しい香りは、気分転換やリラックス効果にも抜群です。
数滴ティッシュに落として、枕元に置くだけでも十分です。

お洒落なファッションアイテムをプレゼント

帽子・マフラー・靴下など、外出時に気分が上がるアイテムは自己肯定感を上げてくれます。贈り物の記念に写真撮影をして記録に残すのもよいでしょう。

【注意点】介護美容ケアを行う上でのポイント

無理に力を入れたり、嫌がる様子がある場合は無理に行わないことが大切。
介護美容ケアは、その人らしいペースに合わせることが一番です。
※トラブルが出た際には、速やかにケアを中止し必要に応じて医療機関へ相談しましょう。

ほんの数分、あなたの手が触れるだけで安心ホルモン(オキシトシン)が分泌され、ストレス軽減や免疫力アップなどの効果が期待できます。
また、「大切にされている」という安心感や、「まだ頑張れる」というような前向きな気持ちが生まれ、自律神経を整えたり心身のリラックスを促すこともでき、健康維持にも深く関わっています。

離れて暮らしていても、家族という一番近い存在からケアされることは、精神的な安らぎや愛情を深く感じやすく、こうした小さな積み重ねが高齢の親の活力となり、家族の時間をより温かいものにしてくれます。

参考文献:
菊川裕幸/小浦誠吾,2023,「クロモジ(Lindera umbellata)精油のアロマテラピーが要介護高齢者の生理的指標や認知機能および介護職員の負担度に及ぼす影響―デイサービスセンターにおける補完代替療法としての可能性―」『アロマテラピー学雑誌』24(1):1-13,(取得日2025年12月16日,https://www.jstage.jst.go.jp/article/aeaj/24/1/24_240101/_pdf
平林由果,2020,「高齢者とおしゃれ」,『日本衣服学会誌』64(1):1-7,(取得日2025年12月16日,https://www.jstage.jst.go.jp/article/clothingresearch/64/1/64_1/_pdf/-char/ja
山口創,2024,「ふれあいと生活におけるオキシトシンの役割」,『日本食生活学会誌』35(3):1-8,(取得日2025年12月16日,https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/35/3/35_127/_pdf/-char/ja

まとめ:帰省は家族の心を整える時間に

介護美容は身体も心にも寄り添えるケアです。
帰省の数日間、親にそっと手を添えるだけでも「自分を気にかけてもらえている」という安心感が生まれ、表情や気分も和らぐでしょう。

「最近眠れている?」「体調は大丈夫?」
そんなささやかな声がけは、親の小さな変化を知るきっかけとなり、生活リズムや体調を整えるチャンスです。

そして、介護美容はその時間をより豊かにしてくれます。

  • 離れて暮らす親の変化に気付きやすくなる
  • 家族のQOL(生活の質)を底上げできる
  • 触れ合うことで家族のつながりが深まる

今年はただ「会うだけ」から一歩進んで、親の冬を支えるケアを意識して、帰省準備を進めてみてはいかがでしょうか。
ほんの少し意識を変えるだけで、家族みんなと笑顔あふれる優しい時間になるはずです。

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