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介護美容

2025年:介護美容についてのアンケート結果“まだまだ知られていないけれど必要とされている”

豊田紘史

国内最大級のシニア向けイベント「Age-Well Festival 2005」にて、介護美容YNのブースを訪れた来場者にアンケート調査を実施しました。回答者は20代から70代まで幅広く、中心は30〜50代。介護・医療・福祉の専門職から一般生活者、家族介護経験者、介護美容従事者まで、多様な層の声が集まりました。
※26名の方に回答していただきました。

「介護美容」という言葉の認知度

介護・医療福祉の専門職は「よく知っている」と答えた一方、それ以外の属性の多くは「初めて知った」「なんとなく聞いたことがある」と回答。一般生活者や家族介護経験者にとっては、まだ耳慣れない言葉であることがわかりました。
それでも注目すべきは、初めて知った人ほど「とても必要だと思う」と強く共感している点です。否定的意見は一つもなく、美容の持つ力が直感的に理解され、共感されていることが示されました。

利用意向と価格帯

自身が介護を受ける立場になった時、「介護美容サービス」をお金を払ってでも受けたいと思いますか?

「介護美容のサービスを利用したいと思うか」という問いに対しては、**「ぜひ受けたい」「状況によっては受けたい」**と答えた人が大半で、「必要ない」との回答はゼロでした。

支払可能額は「1,000〜1,999円」が最多で、次いで「2,000〜3,999円」。一部には「価格よりも内容を重視する」という意見もありました。2,000円未満と2,000円以上の回答数は同等であり、価格そのものよりもサービスの内容や体験価値が重視されていることがうかがえます。ただし背景には「介護にかかる支出が大きい中で、新しいサービスにどこまで費用をかけられるか」という不安があります。介護美容は公的保険の対象外の保険外サービスであり、すべて自己負担となるためです。そのため「自分が許せる範囲で楽しみたい」という声が多く、気軽に利用できるライトなメニューから本格的なケアまで、幅広い選択肢の用意が求められています。

希望されるサービス内容

希望が多かったのは、

  • 美容師によるカット
  • メイク
  • ネイル
  • フェイシャルトリートメント
  • シャンプー・ブロー

さらにカラーやパーマ、マッサージも一定のニーズがあり、「髪のケア+軽い美容」が最も望まれる組み合わせでした。

近年、理美容師によるカットは有償サービスとして広く普及していますが、今回の調査では「選べるならカット以外も利用したい」という声が目立ちました。メイクやネイルは“見た目の変化を楽しむ”要素として、フェイシャルトリートメントは“癒しやリフレッシュを得られる”施術として関心が高く、ニーズの幅が広がっていることがうかがえます。

つまり、介護が必要になったとしても、それ以前に楽しんでいた美容を続けたいと考えるのは自然なこと。美容は女性にとって生活の一部であり、今回の調査はその当たり前を改めて確認するものとなりました。

普及の壁と利用者の声

普及を妨げる要因として挙がったのは、

  • 認知不足
  • 費用負担の大きさ
  • 専門人材の不足
  • 衛生・安全面への不安
  • サービス価値への理解不足

特に「認知不足・費用・人材不足」の3点が大きな課題です。

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介護・福祉・医療の専門職は「介護美容」を理解している一方、生活者にはまだ十分に届いていないというギャップがあります。また、保険外サービスゆえに費用負担への不安は大きく、「気軽に楽しめる内容から始められると良い」との声も寄せられました。

さらに、要介護者に対してサービスを提供できるケアビューティストの数はまだ限られており、「導入したくても担い手がいない」という現状も浮き彫りになりました。今後、介護美容が一般化した際には、人材不足が普及の大きな壁となる可能性があります。

自由記述では「心地良かった」「価値を実感できた」「楽しい時間だった」といった肯定的な声が多く寄せられた一方で、「美容=娯楽で富裕層向けでは?」といった懸念や「リハビリ効果が見えにくい」という課題感も示されました。

まとめ

今回のアンケートから明らかになったのは、介護美容が「まだ広くは知られていないが、多くの人に必要とされている」サービスであるという事実です。

  • 認知度は低いが、知らなかった人ほど強く共感している
  • 利用意向は非常に高く、“内容次第で支払いたい”という声が多い
  • ニーズはカットにとどまらず、メイクやネイル、フェイシャルなどへ広がっている
  • 美容を続けたいという思いは介護が必要になっても変わらない
  • 普及には認知拡大・費用負担への工夫・人材育成が欠かせない

介護美容は、本人の気持ちを前向きにし、家族の安心や施設の雰囲気を明るくする力を持っています。だからこそ、今後は“存在を知ってもらうこと”、”負担を抑えながら選べる仕組みをつくること”、”担い手を育てること”が急務です。

介護が必要になっても、美容を通して「自分らしくいられる時間」を持ち続けられる社会。その実現に向けて、介護美容のさらなる普及と定着が求められています。

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