「自分の可能性をあきらめない。」ー看護師・菅原さんの“介護美容”という選択

介護の現場で「美容」を届ける仕事、ケアビューティスト。高齢者の生活の質を支えるこの新しい仕事は、医療や福祉と並んで、これからの時代に必要とされる新たな職業として注目されています。
今回ご紹介するのは、看護師としての長年の経験を活かしながら、ケアビューティストとしても活動している菅原さん。2023年に介護美容研究所を卒業後、静岡県を拠点に高齢者施設で介護美容を提供する日々についてお話を伺いました。

卒業後の活動:看護師×ケアビューティスト


午前中は看護師として働いて、午後はケアビューティストとして活動しています。
看護師として長年医療の現場に携わってきた菅原さんは介護美容研究所を卒業後、静岡県内の有料老人ホームや高齢者住宅と契約を結び、介護美容の活動を行っています。
現在は、月1回〜2カ月に1回の頻度で3施設を定期訪問し、フットケアやネイルなどを中心に、3〜4名程度の施術を行っているそうです。

キャンセルが出て2名になってしまう日もありますが、定期的にリピートしてくれる方もいらっしゃいます。来るのを楽しみにしてくださっていると聞くと、本当にうれしいですね。
菅原さんの施術を受けた方の中には、表情がやわらぎ、会話がはずむようになる高齢者も多いといいます。

昔を思い出したりっていう方が多いから、そこから会話がはずんだり。表情の変化を見れるので、そういったのはいいなと思います。
施術を受ける利用者さんの印象的なエピソードも教えてくれました。
初めての営業活動
介護美容研究所を卒業した当時、登録していたケアスウィート(卒業生支援のマッチングサービス)からの紹介案件は、静岡県ではまだ少なく、自ら営業活動をする必要があったといいます。

どうしても地方は案件がまだ少なくて。なので自ら営業に行って契約させてもらいました。
ただ、契約までの道のりは平坦ではなく、契約を断られることも多かったといいます。

もちろん!そっちの(契約を断られる)ほうが多いですよ!
営業未経験ながらも名刺と資料を持参して施設を訪問。中には自宅から近いエリアの施設から「体験会をしてみてもいいよ」と声をかけてくれるところもあり、そこで出会った施設とは今でもお付き合いが続いているとのこと。

今では、施設の職員さんから介護美容をやりたい人がいないか声をかけてくれたり、介護美容のイベントをポスター内に貼っていただいたり。
ひとつひとつ丁寧に行動を重ねてきたからこそ、今の活動に繋がっています。
ケアビューティストとしての活動を通して感じたこと

美容の力は、利用者本人だけでなく施設全体にも良い影響を与えているようです。
介護度の高い方も介護美容を受けられるので、施術後に利用者の表情が明るくなったり、会話が増えたりすることにより、施設の方も変化を感じ取ってくれているといいます。

来ることを楽しみにしてくれているという声をもらいます。
看護師という医療従事者の視点からも、菅原さんはケアビューティストの介入が、新しい介護のカタチになると実感しています。
「通ってよかった」:介護美容研究所との出会い

菅原さんが介護美容研究所を知ったのはSNSの広告がきっかけでした。

『こういう働き方があるんだな!』っていう、働き方の部分に一番興味を惹かれて。

看護師としても相性がいいなと思いました。
学校の説明会を聞いたあと、すぐ入学申込をしたという菅原さん。
ですが、当時は静岡から東京校まで通わなくてはならず、通学は大きなハードルだったといいます。

新幹線で往復1万円弱、結構通学するか悩んだポイントではありました。
毎週の長時間の通学や交通費の出費、仕事との両立など大変なことはたくさんあったといいますが、看護師の資格を活かして何かをしたいと思ったことが、通学を決めた大きな要素だったといいます。

仕事の選択肢が広まったし、新しい介護の介入の仕方が見つかって。

更にやりたいことが見つかったので。通ったからこそ見つけることができたのでそれはよかったなと思っています。
これからの夢と菅原さんの想い
菅原さんは現在、市のイベントでネイルの講座の開催を控えています。介護施設だけでなく、地域の方々など、より多くの方に美容ケアの価値を伝えたりと、活躍の場を広げています。
常に精力的に活動をしている菅原さん。その原動力は一体どこからくるのでしょうか。

自分もそうなんですけど…。色々諦めちゃうこととかあると思うんですけど、もうちょっとあがいて何かできないかなって。

挑戦できることがわかったので。自分でやりたいことはできるっていうことを、この何年かですごい思ったので。そういったところを今後は伝えていけたら面白いかなと思っています。
菅原さんは自身のSNSを通して、自らの経験を重ねながら、”挑戦することの大切さ”を伝えています。同世代の方はもちろん、今まさに立ち止まっている誰かにとって「もう一度、自分も動いてみようかな」と思わせてくれるメッセージを発信し続けます。
菅原さんからのメッセージ

最後に、これから介護美容を始めようとしている方々へ、アドバイスを伺いました。

やりたい気持ちは本当に大切。でも、収入面も含めて、冷静な視点も必要です。だからこそ、自分が何を大事にしたいかを明確に持っておくといいと思います。
介護のあり方、そして高齢者の意識も時代とともに変わっていきます。だからこそ、介護美容もまた、時代に合わせて柔軟に進化していく必要があるといいます。

介護だけじゃなくて、社会全体を見る力が必要だと思います。だから、介護以外のこともたくさん学んで、いろんな視点を持ってほしいですね。
まとめ
看護師としての視点と、ケアビューティストとしての技術。その両方を活かしながら活動する菅原さんの姿には、これからの介護と美容の可能性が詰まっています。
“やりたいと思ったらやってみる”。その一歩を踏み出した先に、今の菅原さんの姿があります。挑戦することの勇気と、誰かに寄り添う仕事の喜びを、あらためて教えてくれるインタビューでした。
これからも地域の人々に寄り添いながら、ケアビューティストとして、たくさんの人に希望を届ける存在として、菅原さんの歩みは続いていきます。
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