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介護美容

特別養護老人ホームで介護美容の導入が急増中。その理由とは?

中世古祐里

近年、介護の現場で美容サービスのニーズが高まっています。
これまで、有料老人ホームや介護付き高齢者住宅などでの導入が中心だった介護美容サービスですが、いま注目されているのが「特別養護老人ホーム(特養)」での導入です。

2023年10月〜2024年9月の1年間では導入率が2.3%にとどまっていましたが、実際には、2024年10月〜2025年4月の半年間で、介護美容研究所が提供する訪問美容サービス「Care Sweet」を導入した特別養護老人ホームは、全体の約30%にまで増加しました。
この数字は、ただのトレンドではなく、特養という介護度の高い入居者が多い施設においても、「美容の力」が新たなケアとして認識され始めていることを示しています。

なぜ今、特養で介護美容が選ばれているのでしょうか?
その背景には、入居者や家族、そして職員にとってのさまざまな課題と、その課題を解決する新たな手段としての「介護美容」の価値が見えてきます。

Care sweetとは

介護×美容の専門教育機関「介護美容研究所」がプロデュースする新・訪問美容サービスです。
これまでとは全く違う新しいカタチで高齢者・施設へ「高品質」「安心」「手軽」な美容をお届けします。

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特養ならではの課題と導入の背景

特養の現場で見られる課題とは?

特別養護老人ホームでは、要介護度が高く日常的に手厚いケアが必要な高齢者が多く入居しています。そのため、レクリエーションや余暇活動を充実させることが難しく、以下のような課題が浮き彫りになります。

  • 入居者の反応が乏しく、満足度が見えづらい
  • 職員の人手不足によってレクリエーションを内製化できない
  • マンネリ化したイベントに職員も入居者もやや疲弊
  • 安定した施設運営をする為に、”特色”や”家族満足度”が求められている

これらの課題を背景に、「外部の力」を上手に取り入れて施設の質を高める動きが増えています。

介護美容が特養にもたらす変化とは

こうした課題を抱える中で、特養ではCare Sweetのような介護美容サービスの導入が進んでいます。その背景には、以下のような理由が挙げられます。

  • ご家族の声:「元気な頃の姿に近づけてあげたい」
    利用者だけでなく、”介護が必要になったとしても、最期までその人らしく過ごしてほしい”、そう願うご家族の満足度に大きく貢献しています。
  • 表情や姿勢の変化が見られる
    ケアビューティストによる施術は、単に見た目を整えるだけではなく、利用者の表情が柔らかくなったり、姿勢がシャキッとしたりといった穏やかな変化を、美容を通じて生み出します。
  • 職員の負担が増えない設計
    Care Sweetのように「イベントの準備から運営までを外部に委託できる」スタイルであれば、忙しい職員の負担にならず、日々の業務にも余裕が生まれることも。

複合型施設でのメリット 〜デイやショートも一緒に〜

特養に多いのが、デイサービスやショートステイを併設した「複合型施設」です。

ある特別養護老人ホームでは、デイサービスのプログラムにネイルやメイクなどの美容レクリエーションを取り入れた結果、利用者から「行くのが楽しみ」「家族にも見せたくなる」といった声が増加しました。
この取り組みにより、月内の利用日数が平均1.5日増加し、デイサービスの稼働率が向上しました。

また、ショートステイにおいても、美容をきっかけに利用を希望する新規申し込みが増加し、「楽しみがある滞在先」としての価値が高まったと報告されています。

合同開催で利用促進・稼働率アップに貢献

例えば、デイサービスと特養で合同の「美容の日」を設定することで、下記のようなメリットがあります。

  • デイやショートの稼働率が上がる(特に月初や土曜日など利用者が少ないタイミング)
  • 美容がきっかけで通所を再開する方が出る
  • 「美容の日」に見学に来てもらう事で、利用の決め手になるケースも

費用負担について:導入を左右する重要ポイント

介護美容を導入する際に、施設運営側・ご利用者様・ご家族様それぞれが気になるのが「費用の負担」です。

特養の入居者は介護度や所得に応じて費用が抑えられているケースも多いため、「費用に対する納得感」が導入の鍵を握ります。
施設としては導入しやすくても、ご家族様の理解が得られないことで、参加したくてもできないご利用者様が出てしまうこともあります。
一方で、施設負担にすることで多くの方が参加でき、満足度の高いイベントとして定着しやすいという側面も。

ご利用者様・ご家族負担の場合

  • 施設側はコストが掛からず導入しやすい
  • 一人あたりの金額は比較的低額に設定されているが、”美容にお金を払うこと”への心理的ハードルがネックになる場合も
  • ご家族様への丁寧な説明や、実施後のフィードバックの共有が重要

ご家族様やご利用者様に金銭的負担をお願いするスタイルは、施設側の導入ハードルを下げます。一方で、美容が贅沢品と捉えられがちな高齢者ケアの現場では「なぜ美容が大切なのか」を丁寧に伝え、施術後の心身や表情の変化をしっかりご家族様に共有することで、継続的な理解と支持を得やすくなります。

施設負担の場合

  • 参加希望者全員にサービスが行きわたりやすい
  • 「施設の満足度向上」「ご家族様からの信頼向上」につながりやすい
  • 広報やブランディングにもつながる投資として捉えられることも

すべての費用を施設で負担する方法は、ご利用者様の参加率を最大化できるという大きなメリットがあります。また、ご家族様の満足度向上や信頼感の強化、”魅力のある施設”としてのブランディング効果も期待できます。
中長期的な視点では、施設の価値向上に直結する投資と捉えることもできるでしょう。

折半(施設+利用者)の場合

  • ご利用者・家族の参加ハードルを下げつつ、施設側のコストも抑えられる
  • 参加費が500円〜1,000円程度であれば比較的受け入れられやすいという声も
  • 参加者が増えることで、場のにぎわいや施設内の活気も向上する

施設・ご家族様双方で一部ずつ負担する場合、バランスの取れた導入手法として採用されています。少額の参加費設定で参加のハードルを下げつつ、施設川もコストを分散できるため、継続的な導入がしやすくなります。
美容サービスをきっかけに、ご利用者様同士や職員との会話が増え、施設全体の雰囲気が明るくなるという効果も報告されています。

現場の声・導入施設のエピソード

特別養護老人ホーム 恵の家

導入後の状況

Care Sweetのサービスを特養では個別施術、デイでは集団レク形式で展開。
ネイル・ハンド・メイクは特に人気で、職員からも「自分もやってみたい」という声が挙がるほど。

職員の変化

  • ご利用者との会話が増え、笑顔の時間が増えた
  • 美容を通じて新たな関係性や話題が生まれ、現場の雰囲気も明るくなった

恵の家では、美容ケアがご利用者様と職員の間に新たなコミュニケーションを生み出し、現場にあたたかな空気をもたらしています。SNSでの発信を通じて施設の魅力が伝わり、広報ツールとしても有効に機能し、地域やご家族様からの信頼を得るための手段としても、Care Sweetは存在感を発揮しています。

特別養護老人ホーム&デイサービス:パークサイド岡野ホーム

導入のきっかけ

横浜という地域柄、美容意識が高い方が多く、もともと導入のニーズは強かったそうです。
Care Sweetの説明を聞き、3ヶ月のトライアルを実施した結果、ご利用者の反応の良さと職員の負担軽減が確認できたことで、本格導入に至りました。

導入の成果

  • 美容レクによってデイ利用率が向上
  • ケアマネやご家族への報告に使える“話題のネタ”が増えた
  • 職員が行えない美容施術を代行してくれることで、理想のケアが実現
  • コロナ禍で外出が制限されていた入居者にとっての新たな楽しみの場
  • 男性入居者にも人気で、「非日常体験」を提供

美容ケアの導入は、利用者の満足度向上はもちろん、施設職員にとっても大きなサポートとなっています。特に外出機会が減った高齢者にとって、美容ケアは日常に彩りを添える”特別なひととき”になっており、心身の変化を促す新しいレクリエーションの選択肢となっています。

まとめ:介護の質を高める「美容」という選択

介護の現場では今、単なる身体的ケアにとどまらない「心のケア」が求められています。

Care Sweetのような介護美容サービスは、そのニーズに応える手段のひとつです。
特別養護老人ホームという、重度の介護を要する場であっても、美容の力で今までになかったコミュニケーションや笑顔、感動を生み出しています。

導入の方法や費用負担については施設ごとの事情に応じて柔軟に設計可能であり、「やってよかった」「続けていきたい」という声が全国の現場から続々と届いています。

これからの介護施設には、安心・安全だけでなく“楽しさ”や“生きがい”を取り戻すきっかけづくりも必要になっていくと考えられます。

ぜひ一度、あなたの施設でも介護美容の導入を検討してみませんか?

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介護美容研究所は、高齢者向けのヘア・メイク・ネイル・トリートメントなどの施術技術を学ぶことができるプロスクールで、卒業後はケアビューティストとして活躍することができます。

現在、東京校・横浜校・名古屋校・梅田校(大阪)・心斎橋校(大阪)・福岡校の6拠点で開校しており、これまでに3,000名以上のケアビューティストを輩出しています(2024年10月2025年4月現在)。
実践的なスキルを学ぶ現場実習のほか、卒業後の転職サポートも提供しており、学ぶだけでなくキャリアを築くためのサポートが充実しています。

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こんにちは!私たちは「介護美容を広め隊」です! 介護現場での「美容」の力は、見た目を整えるだけではなく、その人の心や自尊心にも大きな影響を与えます。介護美容マガジンでは、介護美容の素晴らしさや可能性をもっと多くの人に知ってもらうべく、介護美容にまつわる情報や日々の気づきを発信しています。 私たちは介護美容を実際に取り入れている現場やスクールをサポートする側でもあり、業界のリアルな声や体験談をお届けできることが強みです。 とはいえ、堅苦しい話ばかりではなく、私たちが感じた「美容で高齢者を元気にする喜び」を感じられるような楽しい記事も書いています。読者の皆さんも、私たちと一緒に介護美容の未来を考えてみませんか? 【介護美容を広め隊一同】
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