100歳のおばあちゃんに贈る美容の時間|介護美容を贈ろう

看護師として働きながら、二児の母として子育てに奮闘し、さらに「介護美容研究所」の受講生として学びを深める小森史子さん。

「綺麗になりたい」という気持ちが、いくつになっても心の奥にある。
それを教えてくれたのが、おばあちゃんでした。
今回は、小森さんが介護美容を通しておばあちゃんとかけがえのない時間を彩った記録と、小森さんの想いをお伝えしていきます。
帰ってきた日、そして”綺麗になりたい”という願い

小森さんのおばあちゃんは、大正時代の終わりに生まれ、戦争も高度経済成長も乗り越え、たくましく生きてきた世代の方です。
95歳のときに、脳梗塞により左半身が麻痺。それでも「家で過ごしたい」という強い意志のもと、娘である小森さんのお母さまと、隣に住む理学療法士のお兄さんの支えもあり、在宅生活を続けてきました。
しかし、ある日鼠径ヘルニアを発症し、3ヵ月の長期入院へ。
体力はどんどん落ちていき、食事も摂れず点滴管理が続く中、医者からは「胃瘻(いろう)」の選択も迫られました。
けれど、おばあちゃんの「私は胃瘻はしたくないの」ーその声を尊重し、退院することに。
おばあちゃんが家へ帰ってきた日、嬉しさからか元気いっぱいに
「お家に帰れて嬉しいね」「やっぱり家がいいねー!落ち着くね!」と笑顔を見せてくれました。
小森さんは介護美容を学び始めたことをおばあちゃんに伝えると
「ネイルやってほしい!メイクしてもらいたい!」「綺麗になりたいわ」と嬉しそうに話していたおばあちゃんに、思わず驚いたといいます。
けれど、この言葉こそまぎれもない”生きる力”の表れでした。
美容を通じて家族をつなぐ:100歳の誕生日に贈ったケアメイク

100歳を迎えるというのは、人生の中でも特別な節目。
小森さんは、寝たきりになってしまっていたおばあちゃんのために、洗面台でカットして髪を整え、心を込めてメイクをしました。
その時間は、小森さんにとって”仕事”でもなく”介護”でもなく、ただただ「大切な家族を綺麗にしたい」という純粋な気持ちの贈り物でした。
誕生日当日は、おばあちゃんのまわりには孫やひ孫たち、家族みんなに囲まれにぎやかな雰囲気に。メイクとヘアセットでさらに笑顔溢れるおばあちゃん。
美容は本人のためだけでなく、家族をもつなげる、そんな力があることを実感した瞬間でした。
声なきリクエスト:元気がなくなったおばあちゃんにもう一度メイクを
やがて、時間とともにおばあちゃんは発語が少なくなり、目を瞑る時間が長くなってきていました。
それでも小森さんは、「綺麗になりたい」「メイクしてほしい」というおばあちゃんが話していた姿を思い出し、「少しでも元気になってほしい!生きる活力が湧いてくれるといいなぁ」と、寝たきりのおばあちゃんにメイクをしていきます。
「目は瞑っているけど、きっと喜んでくれているはず!私の思いは絶対に伝わっている!」
小森さんは、そう感じたといいます。
おばあちゃんとの思い出づくり:外の光と家族の笑顔

桜も咲いて暖かくポカポカな休日。小森さんはふと思います。
「おばあちゃんを外に出してあげたい」
寝ていることがほとんど、食事もなかなか摂れなくなっていたおばあちゃん。それでも外の空気を感じてもらいたいという想いを胸に、理学療法士のお兄さんの力も借りて、車いすでおばあちゃんを家の前まで連れていくことに。
あたたかい日差しの中、家族の声掛けに反応するように、おばあちゃんはゆっくりと目を開けて、にっこり笑ってくれました。
「もともとパワフルでお散歩大好きなおばあちゃんだったので、何か感じてくれたのかな」
そう言いながら、家族みんなですてきなひとときを過ごします。
最期の贈り物:美しく旅立つためのエンゼルメイク
2025年3月、おばあちゃんは家族に見守られながら、静かに息を引き取りました。
小森さんは、学校で学んだ知識と技術をいかし、人生最後のメイクを施します。
それはエンゼルメイクー旅立つ人に「ありがとう」「おつかれさま」を込めた、最後の美容ケアです。
亡くなったおばあちゃんの顔は、今にも目を開けて話しだしそうなくらい安らかな寝顔のようで、とても美しかったといいます。
ケアビューティストとしての想い:「笑顔を届ける人になる」

「綺麗になりたい」
おばあちゃんのシンプルだけど力強い言葉が、小森さんの原動力になりました。
美容の力は、人を笑顔にする。
そして、笑顔は生きる力になる。
自分の手で、大切な人にその力を届けられるケアビューティストという仕事。
小森さんはこれからもその想いを胸に、新たな一歩を踏み出していきます。
まとめ:美容は”生きる喜び”そのもの
介護美容は、ただ見た目を整えるケアだけではありません。
それは「生きていてよかった」と思える時間をつくる、心を支えるケアでもあります。
人生の終盤であったとしても「美しくありたい」という気持ちは、生きるよろこびそのもの。小森さんのエピソードは、介護美容が心を照らす大切な”贈り物”であることを教えてくれます。
あなたも、大切な人に美容の時間を贈ってみませんか。
そこにはきっと、言葉では表せない、心と心がつながる瞬間が待っているかもしれません。
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