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介護美容

終末期患者が人生の最期を穏やかに過ごす場所「ホスピス」で介護美容が欠かせない存在に

豊田紘史

系列施設から「絶対合うよ!」と紹介していただいたのが、「ケアスウィート」を知ったきっかけであり、導入の決め手だったと語る「マザアス在宅ホスピス南柏」立石ホーム長。
今回は、美容を導入して起きた、施設での変化や感想を詳しくお伺いしました

INTERVIEW

マザアス在宅ホスピス南柏のホーム長、立石様にお話しを伺いました。

美容を施設に導入してみて

始めは「美容レク」と聞いて、お化粧して「きれい!」だけのその場限りのイベントだと思っていた「介護美容」。
しかし、実際に導入して気付いたことは、「心のケア」「精神的ケア」に繋がるという事でした。

本当に導入して良かった!

導入後約1年が経過した時点で、当初は手探りながらも美容ケア後には「華やかでいい」といったご入居者様からの好意的な声が確認できました。
ケアスウィートの技術者のお二人も素敵な方で、施設をよく理解してくれ、立石ホーム長の想いとも合致したそうです。

ケアスウィートの技術者は看護や介護の資格がある部分でも安心ですし分からないことがあればお互い質問しあえる。

突然のお願いも嫌な顔一つせず対応して下さるし、ホスピスなのでご入居者様の入れ替わりやお体の状態の変化がとても多いんです。でもそこも寄り添いながら対応して下さるので凄く信頼してます。

ケアスウィートの技術者を本当に信頼していて、いい事しか出てきませんと、心の底から信頼関係が築けている事を伝えてくださいました。

ケアスウィート(care sweet)とは

介護×美容の専門教育機関「介護美容研究所」を運営する「株式会社ミライプロジェクト」がプロデュースする新・訪問美容サービスのことです。
利用施設の利用継続更新率は93%、施術人数は年間3万人以上に上っており、全く新しいカタチで高齢者や施設へ美容を届けています。

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外部の美容レクを導入すると伝えたご家族の反応

立石ホーム長によれば、外部の美容レクリエーションを導入する旨をご家族様に伝えた際、驚きと共に「そんなこともできるのか、いいですね」というポジティブな反応が見られたといいます。
マザアス在宅ホスピス南柏には、闘病の末に入院生活から移行してくる入居者や、自宅での介護が限界に達した家族が支える入居者など、余裕を失いがちな環境下で暮らす利用者が多く、こうした背景から、美容というケアは想定外の喜びをもたらす存在となりました。

実際に美容ケアを受けた入居者の多くは、「お化粧なんて何年ぶりかしら」という感嘆の声をあげ、普段とは異なる表情で写真を撮るなど、心からの満足感を示しているそうです。
ご家族もまた、「こんなに綺麗にしていただいてありがとうございます」と感謝を伝え、日常から離れたひと時に笑顔が広がっており、女性に限らず、男性の利用者がヘアスタイルやフットトリートメントによって身だしなみを整えると、「楽になった」と嬉しそうに応じる場面もあるそうです。

職員不足でレクチャー会が開催できないときでも、合間で知識を教えてくださったりするのでとても助かってます。

こうした一連の取り組みを振り返ると、外部の美容レクリエーションが施設にとって単なる装飾的な要素以上の価値をもたらし、入居者・家族・職員にとって欠かせない存在になりつつあることが実感されます。

介護美容を導入して良かったと思った瞬間

立石ホーム長は、「介護美容を導入して良かった」と感じる具体的な瞬間がいくつもあったと話します。その中でも印象的なエピソードを教えていただきました。

①難病を抱え、なかなか居室から出てこなかった入居者様

最初はイベント参加を頑なに拒んでいましたが、根気強い声かけの末、少しずつ顔を出してくれるようになり、メイクの日には「メイクはやらない」と拒否されたものの、ケアスウィート技術者が柔軟な対応で「髪の毛を可愛くしてみませんか」と提案。
結果、その入居者様はいつもと違った髪型に満足し、写真撮影でも喜びを表現するなど、小さな一歩が生きる楽しみへとつながったそうです。

②ALSを患い、徐々に身体機能を失っている男性入居者様

言語や表情でのコミュニケーションが難しくなっている中で、目で操作するパソコン端末を用い、職員や美容スタッフとの意思疎通を続けています。
その方は、ケアスウィート技術者が優しい言葉をかけ、時間をかけてアロマトリートメントをすることで、「嬉しい」と自ら意思表示するまでになりました。次の訪問を心待ちにしている様子は、ホスピスという空間において、確かな生きがいや希望となっています。 

③末期がんの入居者様

長く入院生活を送っており、お洒落が大好きだったにもかかわらず、病状や環境の制約から美容を諦めざるを得ませんでした。
しかし、マザアス在宅ホスピス南柏へ移ってからネイルケアを受けた際、ベッド上で手を伸ばし、塗られたばかりの爪を「きれい」と眺める眼差しは、長い間閉ざされていた喜びを取り戻したかのようでした。

「次はいつ来てくれるの?」と末期がんで体力が急速に衰えていく中で、介護美容の訪問日が小さな目標となり、生きる喜びとなりました。
残念ながら病状は急速に進行し、最終的には寝たきりの状態となりましたが「今はこのような状態ですが、ぜひこの方に1番にネイルをしてほしい」とお願いし、ケアスウィート技術者が対応しました。

数日後、当該ご入居者様は逝去されましたが、最後まで美を求める心に応えられたことは、立石ホーム長や職員にとって大きな安堵と感謝につながったそうです。介護美容は、痛みや不自由さが色濃い生活の中に、確かな輝きをもたらしたのです。

④余命僅かな入居者様

メイクをしてもらった際、ちょうど来訪していたご家族がその変わりように驚き、20代のお孫様は「おばあちゃんがこんなにきれいになってる!」と大変喜ばれました。
その光景を見たご家族一同は笑顔に包まれ、普段は「痛い」「病気がつらい」といった言葉が多かった時間も、このひとときだけは美しさや楽しさを共有する温かな空間へと変わったのです。

寝てばかりの状態から解放され、きれいに装った姿で家族写真を撮ることは、ご本人のみならず周囲にとっても心に残る、素敵な時間となりました。ご家族がこんなにも喜んでいる姿に、立石ホーム長はとても驚かされたそうです。

「毎回違う技術者のとっかえひっかえ」だと難しいと思うんです。なのでまた一年間の継続訪問をお願いしました。

コロナ禍でご家族や友人との面会が制限されていた当時、こうした取り組みが失われると、入居者様の生活から楽しみが一つ消えてしまう。だからこそ、介護美容はこの環境下で非常に貴重な存在となり、ご家族の反応も誰一人否定的な方はおらず、喜んでもらえているそうです。

美容の日にご家族様にお越しいただいて
「ここを選んで良かった!」と感じていただきたいです。

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まとめ

ホスピスの入居者様は、自らの疾患が進行し、治ることはないという現実を自覚しながら日々を送っています。そんな不安定な心理状況の中で、ケアスウィートの技術者から優しく声をかけてもらう美容ケアの時間は、日常の苦しさや不安から一時的に解放される「特別なひととき」として深い満足感をもたらします。

また「自分がきれいになっていく」という実感は、心に良い影響を及ぼし、自信や生きる希望となり、ケアそのものへの喜びと、施術者との心地よいコミュニケーションが相まって、入居者様は美容ケアを通じて新たな心の拠り所を得ているようです。こうした要素が重なり合い、介護美容は入居者様にとって欠かせない存在となっています。

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