美容で患者目線の医療革新「チーム連携で実現する足元ケア」


INTERVIEW
関西発となる新設備として、フットケアを行うための設備を設置し、介護美容のスペシャリスト、ケアビューティストと連携して、透析専門のフットケアを提供する『大正くすのきクリニック』の近藤理事にお話しを伺いました。
ケアビューティストの力とフットケアの効果

人工透析を受ける患者は、日々厳しい生活制限と向き合っています。水分摂取量の制限、食事制限、さらには透析治療そのものの痛みや不快感。この過酷な状況下で、ケアビューティストによるケアは患者に「またやってほしい」と思わせるほどの安心感と癒しを提供しています。
実際に「お金を払ってでも受けたい」という声が患者から寄せられるほど、その価値は高く評価されています。透析患者の生活の質を向上させるためには、医療だけでなくこうした心のケアが欠かせません。

ケアビューティストさんの力がすごいんですよ

透析患者専用の足湯設備を開発

『大正くすのきクリニック』では透析を行うためのベッドの横に、床下に排水が可能な構造を施し、透析患者専用の足湯設備を開発。透析中の足浴も可能になっています。

医療現場から生まれる新たな可能性
臨床工学技士の資格を持つ近藤理事は、患者さんの生活の質を守るため、日々医療の最前線で尽力しています。しかし、国家資格としての歴史が浅い臨床工学技士の役割を模索する中、近藤理事が注目したのは患者の「足」でした。

患者さんの生活の質を安定させるためには、まず足を診ることが基本です
足を診ることの重要性は医療関係者にとって共通認識ですが、実際に触れるケアを行う習慣は少ないとのことです。「靴下を剥いで目で見るだけで終わらせるのではなく、触れて診てあげることが大切」と強調します。この視点が、ケアビューティストの導入に繋がったと言います。
触れるケアから見える患者の未来

患者の足を守るために必要なケアは限られているのが現状です。血管を広げる、悪化した部分を処置する、といった対応が一般的で、予防的な視点での取り組みは少ないといいます。しかし、「触れて診る」というシンプルな行動が新たな可能性を広げました。

患者さんの足に直接触れることで、未然に問題を発見できるようになりました
しかしながら、現場ではマンパワーの不足が常に課題となっています。軽症のうちにケアできる患者を見過ごしてしまい、重症化してしまうケースも少なくありません。こうした課題に対する解決策を模索する中で、ケアビューティストという存在に出会ったそうです。

分業体制の中でのケアビューティストの役割

大正くすのきクリニックでは約120人の患者を診ています。その中で「処置が必要な人」「フットケアが必要な人」「診るだけで良い人」という3つのカテゴリーに分けて管理しています。
看護師や他のスタッフと連携し、ミーティングを重ねながら業務を分担しています。ケアビューティストは、看護師の安全管理を補完しつつ、自身の専門分野での提案を行い、現場で実践を重ねています。こうした取り組みにより、スタッフ間で信頼関係が築かれ、患者に対するケアの範囲が徐々に広がっています。

効率的にケアを行うためには、チーム医療と分業体制が必要不可欠なんです。
※医療現場では専門的な判断や安全管理が求められるため、ケアビューティストの活動は医療現場にむやみに介入するものではありません。現場の医療スタッフとの緊密な連携を図り、現場の方針や役割分担を尊重し、それぞれの専門性を活かして取り組むことが求められます。

医療業界における美容技術の可能性


僕の展望とか希望は医療業界にケアビューティストのような、そういう活動をされている方がもっともっと増えてほしい。
なぜかというと、医療の業界が華やかになりますよ、必ず。
ケアビューティストのような美容技術を持つ人材が増えることで、医療の価値観や考え方が変わると理事は期待しています。医療と美容が融合することで、患者に寄り添う新しい形のケアが提供できるようになるのです。

医療業界の価値観であったり、考え方が必ず変わるはずなんですよ。だから、”ケアビューティストをきっかけに”であれば尚いいですよね。すごい素敵なことじゃないですかね。
医療業界の新しい可能性を信じる近藤理事の熱意が感じられました。

心と身体の両方を支えるケアの重要性
大正くすのきクリニックでの取り組みは、患者の足を守るためのケアから始まりましたが、今では患者の心のケアにまで広がっています。
医療と美容が連携することで、患者の生活の質が向上し、より豊かな医療環境が実現できることを証明しています。
これからもケアビューティスが増え、医療の可能性が広がることを願っています。
介護美容を学ぶなら専門スクールがおすすめ

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