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介護美容を「必要とされるケア」へ。米田美穂さんが株式会社 RISE CARE BEAUTYを設立

村上琴音

2026年9月26日、介護美容研究所の卒業生・米田美穂さんが代表を務める株式会社 RISE CARE BEAUTYの事業説明会・設立パーティーが開催されました。

会場では参加者同士の歓談が続くなか、米田さんによる事業説明がスタート。パーティーには54名が集い、会場は活気に包まれました。

介護職未経験から介護美容の道へ。 2024年3月に介護美容専門スクール「介護美容研究所」を卒業した米田さんは、介護施設やご自宅など、一人ひとりのもとへ美容を届ける活動を広げ 、卒業からわずか2年半で法人設立に至りました。

今回は、当日の事業説明を振り返りながら、米田さんの歩みとRISE CARE BEAUTYが目指す介護美容、そして今回の法人設立から見えてくる介護美容の可能性に迫ります。

PROFILE

米田美穂さん
4人のお子さまを育てるママケアビューティスト。
両親の介護を経験した際、病院や施設からのサポートに感激し「介護業界に恩返し」することを決意。その後、”介護美容”に出会い、介護美容研究所・大阪校に入学。在学中にはウェルネスケアサロン「CRESTAGE」をオープン。卒業後はケアビューティストとして地域密着型スタイルで施設や個人へ介護美容を提供している。『介護美容を贈ろう』を新たな文化にすべく、セミナーにも登壇するなど日々奮闘中。2026年には、株式会社RISE CARE BEAUTYを設立。

RISE CARE BEAUTYが考える「介護美容」とは

RISE CARE BEAUTYが介護美容を表す言葉として掲げているのが、「心のリハビリ」です。

エステやネイル、ハンドケアなど、美容を通して届けるのは、見た目を整える時間だけではありません。

何色のネイルにするか、どんなケアを受けたいか。自分の好みや希望を伝え、自分で選ぶことも、介護美容の大切な要素だと米田さんは考えます。

RISE CARE BEAUTYでは、介護施設やホスピス、地域の福祉会館、ご自宅など、さまざまな場所で介護美容を提供しています。提供方法は、一対一で行う「個別ケア」と、複数人で楽しむ「美容レクリエーション」の二つです。

Q
個別ケア:一人ひとりの体調や希望に合わせたケア

その日の体調や希望を確かめながら、施術内容を一緒に考えます。一人ひとりの気持ちや状態に合わせたケアを大切にしています。

Q
美容レクリエーション:参加者同士で楽しむ美容活動

体操やスキンケア、セルフメイクなどを楽しみます。完成度の高いメイクを目指すだけでなく、好きな色を選んだり、ほかの参加者と感想を伝え合ったりする時間も大切にしています。

介護が必要になると、日常生活のさまざまな場面で、人の手を借りる機会が増えていきます。だからこそ、誰かに決めてもらうのではなく、自分の意思で選択する機会を持つことには意味があるといいます。

こうした関わりの根底にあるのは、施術者が一方的にケアを提供するのではなく、ご本人の意思を尊重する姿勢です。

美容をきっかけに、自分の好みを表現する。誰かと気持ちを共有する。そうした時間の積み重ねが、自分らしさを感じられるひとときにつながっていきます。

介護美容を「心のリハビリ」と捉える米田さんの考えには、美容を提供することだけでなく、その人が自分らしく過ごせる時間を大切にしたいという思いが表れています。

きっかけは「家族の介護と看取り」

Photo/下村洋平(IG:@c_moyan._)

介護美容の分野に進んだきっかけには、両親の介護と看取りの経験があります。

母親はALSを患い、2017年3月に逝去。父親も膵がんを患い、2022年9月に亡くなりました。19歳から4人の子育てと両親の介護を担ってきた米田さん。支えとなったのは、両親だけでなく、家族の心にも寄り添う医療・介護の専門職の存在でした。

父親が亡くなる二日前、介護士の「体調良さそうやから、お風呂入りましょか。」という言葉をきっかけに、父親は入浴することに。

お風呂上がりの父親の髪から漂う、シャンプーの香り。米田さんの心に残ったのは、末期がんの患者や要介護者としてではなく、一人の人として接してもらえた父親の姿でした。

介護の現場で行われる一つひとつのケア。その関わり方が、本人や家族にとってどれほど大きな意味を持つのか。両親の介護と看取りを通じて、米田さんは身をもって知りました。

その後、両親を看取った米田さんがSNSで偶然目にしたのが、介護現場に特化した美容を学べる専門スクール「介護美容研究所」の広告でした。

介護美容研究所で1年間学び、現場での実践を重ねた米田さんは、2024年3月に活動を本格化。家族の介護を経験した一人として、今度は介護美容を届ける立場から、一人ひとりの「その人らしさ」と向き合っています。

今回の法人設立は、現場で積み重ねてきた活動を、さらに広げていくための新たな一歩です。

美容を通して届けたいのは、「その人らしく過ごす時間」

「人の世話にならないと生きられない私が、長いこと生きたって仕方ない」
「こんな私が、今さら綺麗になったって意味がない」

米田さんが介護現場で耳にしてきたのは、自分の存在価値や、これからの人生に希望を持てずにいる方の言葉です。

年齢を重ね、誰かの手を借りて生活するようになると、それまで当たり前にできていたことが難しくなる場面もあります。自信を失い、おしゃれを楽しむ気持ちさえ遠のいてしまうこともあるのかもしれません。

そんな方々と美容を通して関わるなかで、米田さんの心に残るのは、ふとした瞬間にこぼれる言葉や表情です。手に触れながら美容を提供していると、「あなたの手、あったかいね」と涙を流す方もいるといいます。

美容を楽しむ時間は、単に見た目を整えるだけではありません。自分の好みを伝えたり、誰かと気持ちを共有できる時間にもなります。

年齢や介護の必要性によって、その人らしさまで失われるわけではない。米田さんは、美容を通じて、一人ひとりが自分らしく過ごせる時間を届けようとしています。

介護美容から現場にも広がる変化

Photo:下村洋平

今回の事業説明では、介護美容がご本人だけでなく、ご家族や介護現場にもたらす価値についても語られました。

施術中の会話や、手に触れながらゆっくりと関わる時間。美容をきっかけに、ご高齢者の普段とは違う表情や反応が引き出されることがあります。

その変化に気づくのは、施術を受けたご本人だけではありません。日頃からケアに携わる職員にとっても、いつもとは異なる一面を知る機会に。施術中の笑顔や楽しそうな様子をご家族に伝えることが、会話や交流のきっかけになる場合もあります。

美容を楽しむ時間から生まれる変化は、施術の場だけにとどまりません。ご本人を中心に、ご家族や介護職員との関係にも広がっていくことが、介護美容の持つ価値の一つです。

介護美容を届ける人を増やす人材育成も

Photo:下村洋平

介護美容を必要とする人に届け続けるには、現場で活動する人材と、それを支える事業の仕組みが欠かせません。

RISE CARE BEAUTYでは、セミナーやレクリエーション指導に加え、実際の介護現場でOJTを実施。知識や技術を学ぶだけでなく、現場で経験を積み、介護美容を実践できる人材の育成にも取り組んでいます。

米田さん自身の活動を広げるだけでなく、介護美容を担う人を育て、実際の現場で活躍できるよう支えていく。介護美容を一時的な取り組みで終わらせず、必要とする人へ届け続けられる仕事として根づかせることも、事業として取り組む意義の一つです。

米田さんの挑戦から見えてくる「介護美容のこれから」

Photo:下村洋平

介護美容の仕事には、現場で施術を提供するほかにも、自身の経験を生かして事業を立ち上げるなど、さまざまな関わり方があります。今回、米田さんが法人を設立したことも、その一つです。

介護美容は、まだ広く知られているとはいえない分野。現場で一人ひとりに美容を届ける活動に加え、米田さんのように事業として形にする人が現れることで、介護美容の仕事や関わり方も少しずつ広がっていくでしょう。

最後に、介護美容の道へ一歩踏み出したいと考えている方へ、米田さんからメッセージをいただきました。

19歳から16年間、親の介護と子育てを同時に担うダブルケアラーとして過ごしてきた私は、一般企業で正社員として働いた経験がありません。

自分には何の取り柄もないと思っていた私が、親の介護をきっかけに介護美容と出会い、自分らしい働き方を見つけることができました。誰かに必要としてもらえることが、こんなにも嬉しいのだと知れたのも、介護美容に出会えたからです。

結婚、妊娠、出産、子育て、そして親の介護。ライフステージが変化しても、自分に合った形で柔軟に働ける。だから私は、幅広い世代の女性におすすめしたい働き方だと思っています。

迷っているなら、まずは一歩踏み出してみてください。現場で得られる喜びや幸福感は、きっと想像している以上に大きいはずです。

介護美容が当たり前になる未来へ

事業説明の最後に米田さんが語ったのは、「介護現場で美容が当たり前になる」という未来でした。

介護が必要になっても、美容を楽しみ、自分らしく過ごす。その選択肢が特別なものではなく、日々の暮らしのなかにある社会を目指しています。

両親の介護と看取りを経験し、介護美容と出会った米田さん。その歩みは、今回の法人設立によって新たな段階へと進みました。

介護が必要になっても、美容を楽しみ、自分らしく過ごすことができる。そんな選択肢が特別なものではなく、介護現場の日常に根づいていくために、米田さんの挑戦はこれからも続いていきます。

介護美容を学ぶなら専門スクールがおすすめ

介護美容研究所は、高齢者向けのヘア・メイク・ネイル・トリートメントなどの施術技術を学ぶことができるプロスクールです。修了後は、ケアビューティストとして、多くの卒業生が現場で活動の場を広げています。

現在、全国6エリアで展開(東京〔原宿・代々木〕/横浜/大宮/名古屋/大阪〔梅田・心斎橋〕/福岡)しており、これまでに3,700名以上の卒業生を輩出しています。(2026年9月現在)
実践的なスキルを学ぶ現場実習のほか、卒業後の転職サポートも提供しており、学ぶだけでなくキャリアを築くためのサポートが充実しています。

介護美容研究所では、介護美容に興味を持ってくださった方を対象に、カリキュラムの内容や講座料金などの詳細を記載したパンフレットを無料でお送りしています。
興味のある方は、まずは無料で資料をご請求ください。

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こんにちは!私たちは「介護美容を広め隊」です! 介護現場での「美容」の力は、見た目を整えるだけではなく、その人の心や自尊心にも大きな影響を与えます。介護美容マガジンでは、介護美容の素晴らしさや可能性をもっと多くの人に知ってもらうべく、介護美容にまつわる情報や日々の気づきを発信しています。 私たちは介護美容を実際に取り入れている現場やスクールをサポートする側でもあり、業界のリアルな声や体験談をお届けできることが強みです。 とはいえ、堅苦しい話ばかりではなく、私たちが感じた「美容で高齢者を元気にする喜び」を感じられるような楽しい記事も書いています。読者の皆さんも、私たちと一緒に介護美容の未来を考えてみませんか? 【介護美容を広め隊一同】
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