祖母への後悔を力に変えて|看護師・木場さんが選んだ介護美容の道
「もっと何かしてあげられることがあったのに…。」
その想いは、時間が経ってもふとした瞬間に胸を締めつけます。
介護美容研究所 福岡校に通う木場さんも、かつて同じ痛みを抱えていました。
3年前に亡くなった認知症の祖母の”小さな変化”に気付きながらも、仕事や子育ての忙しさの中で向き合うことができませんでした。
「仕方ない」と言い聞かせても、本当は心のどこかでずっと引っかかっている。
そんな気持ちは、きっと多くの人が抱えているのかもしれません。
そんな後悔や葛藤を乗り越え、「今度は自分の手で、誰かのために何かをしてあげたい」という強い想いとともに、介護美容の道に進むことを決めた木場さんにお話を伺いました。

福岡校 木場さんはどんな人?

現在、特別養護老人ホームでパート看護師として働きながら、介護美容研究所福岡校に通う木場さん。
在学中にもかかわらず、既に施設や個人からの依頼を受け、地域に介護美容を届ける活動をする傍ら、二児の母として、家庭・仕事・勉強を両立する日々を送っています。
元々は急性期病棟の看護師として長年活躍してきた木場さんですが、認知症になった祖母に何もしてあげられなかったことへの後悔や、病棟の患者さんやその家族との関わりを経て、介護美容の重要性を感じ、ケアビューティストの道へ進むことを決めました。
介護美容の道に目覚めたきっかけ: 祖母への後悔が挑戦の原動力に

介護美容を知ったきっかけは、介護美容研究所のInstagramの投稿でした。
画面越しに見た介護美容の世界が、3年前に亡くなった祖母への想いと強く重なったといいます。

祖母が認知症になって身なりが整えられない、よく作ってくれた肉じゃがが作れない。そんな風に認知機能が低下してからは、仕方のないことだと自分に言い聞かせていましたけど、なんだか目を背けてしまって。
陽気でおしゃれな祖母のことが昔から大好きだった木場さん。
しかし、認知症になってからは、会う度に祖母が変わっていくことにショックを受け、祖母の爪の肥厚やトラブルに気づいていながら、何もしてあげられないまま祖母を見送ることになってしまいました。

今思えば…祖母に何かできたんじゃないかという思いが強くなって。今度は私が誰かにしてあげたい気持ちになりました。
こうした想いが時間とともに積み重なり、木場さんの中で「介護美容で生きる」という気持ちが強くなっていきました。
入学まで迷った1年半:迷いから決断へ

介護美容と出会った木場さんは、学びを深めたい気持ちと、仕事への愛着の間で大きな葛藤を抱えていました。
急性期病棟で働く日々は充実しており、新人を育てる使命感、職場環境の良好さからも、仕事を辞めたいと思ったことは一度もなかったといいます。
それでも、亡くなった祖母への後悔や、介護美容を通して誰かの生活に寄り添いたいという気持ちが日に日に強くなりました。子育てや仕事に加えて、遠方からの通学という現実的な問題も重なり、入学への決断まで1年半ほどかかったといいます。

ある患者さんの爪を切ってあげたときに、ご本人からも家族からもすごく感謝されたんです。祖母のこともその患者さんとのことも思い返したら、ちょっとしたことなんですけどね、この道にいくべきだと強く感じたんです。
介護美容への熱い想いを胸に、家族からの応援も受けて、2025年4月に介護美容研究所 福岡校へ入学しました。

入学前は夫ともたくさん話し合いました。今でもすごく応援してくれて、協力もしてくれるので本当に助かっています。

介護美容の学びに専念: 鹿児島から福岡へ通いながら次のステージへ

木場さんは正社員での急性期病棟の勤務から、特別養護老人ホームでのパート勤務に切り替えました。

介護美容にかける時間が欲しかったんです。B&Cキャリアパークで紹介いただいた施設に転職して、そろそろ1年になります。
通学は鹿児島から福岡へ。
子育てをしながら遠方からの通学は決して簡単ではありませんが、木場さんにはその大変ささえ気にならないほどの強い覚悟や、たくさんのモチベーションがあるといいます。

『やるぞ!』と決めたら、それを叶えるまでの気持ちがすごく熱いんです。祖母にできなかったという気持ち、これからの将来のこと、子どももまだ小さいのでそばにいる時間をつくりたい、とか。

正直、結構きついですよ(笑)。でも今しかできないし、家族のためにと思うとやるしかないですよね。
また、さまざまな地方から集まるクラスメイトで活気にあふれ、切磋琢磨しながら互いの夢を刺激し合える環境が励みにもなっていると木場さんは語ります。

入学半年で行動力が爆発:動き続ける理由

入学からわずか半年で、行動力はすでに在校生の中でトップクラスの木場さん。
- 施設や社協へ自ら営業・挨拶
- 福祉イベント・マルシェへの出店
- 認知症カフェでの活動
- 施設や個人への介護美容の提供
- 美容を取り入れている介護施設の職員向け勉強会の実施
- 職場でフットケアの実践
動き始めたのは、入学後すぐの6月。
介護美容研究所の卒業生にもコンタクトを取り、積極的に情報を取りに行き、「逆算して今できること」を実践しています。

人と比べることはあまりしたくなくて。自分の考える未来・将来に向かって動くだけなので。正直なところ、在学前から動き始めていました!
入学前から外部のフットケア講座を受講したり、職場の施設長の後押しもあり、現場でのフットケアの実践も日々重ねてきました。

今までの卒業生の方や、ロールモデルになる先輩方を見て、ケアビューティストはいろんな働き方ができると感じているので、いろんな希望が持てますよね。
卒業生や先輩ケアビューティストたちが歩んできた背中を追いかけ、学びを続けた結果、木場さんは今のように積極的に動くことができているといいます。
未来の仲間へ:木場さんからのエール


今後は、介護予防に力を入れて取り組んでいきたいので、フットケアなどを地域や施設で広めていきたいですね。
木場さんの今後の目標は、ケアビューティストが医療チームの一員として認められる未来をつくること。そして、利用者だけでなく家族、施設職員や地域全体を包み込んでサポートできるような存在になりたいといいます。
そんな木場さんに、介護美容を今後学んでみようと考えている方々へメッセージをいただきました。

介護美容が気になったきっかけがあると思うので、そのきっかけや自分がどうしたいかという気持ちを大事にしてほしいです。たくさんの未来が広がっているので、一緒に頑張りましょう!
迷いながらも、自分の気持ちと向き合うこと。自分を信じて、最初の一歩を踏み出すことで未来を大きく変えられる——木場さんの言葉は、これから頑張ろうとしている人の背中をそっと押してくれる、そんなエールです。
まとめ

祖母への後悔から始まった一歩は、木場さんの行動力の源となり、今では地域で必要とされるケアビューティストへと歩みを進めています。
家庭も仕事も学びもどれも諦めず、両立させながら前へ進む木場さんの姿は、同じような目標を持つ人たちに勇気を与えてくれます。
介護美容は、ただ単に綺麗にするだけでなく、その人の人生を豊かにし寄り添う新しいケアです。
木場さんの歩みはまだ始まったばかり。これから生まれるたくさんの出会いと笑顔が、地域の未来をさらに明るく豊かにしてくれることでしょう。
介護美容を学ぶなら専門スクールがおすすめ

介護美容研究所は、高齢者向けのヘア・メイク・ネイル・トリートメントなどの施術技術を学ぶことができるプロスクールで、卒業後はケアビューティストとして活躍することができます。
現在、全国6エリアで展開(東京〔原宿・代々木〕/横浜/大宮/名古屋/大阪〔梅田・心斎橋〕/福岡)しており、これまでに2,900名以上の卒業生を輩出しています(2025年10月現在)。
実践的なスキルを学ぶ現場実習のほか、卒業後の転職サポートも提供しており、学ぶだけでなくキャリアを築くためのサポートが充実しています。
介護美容研究所では、介護美容に興味を持ってくださった方を対象に、カリキュラムの内容や講座料金などの詳細を記載したパンフレットを無料でお送りしています。
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