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4児の母からケアビューティストへ:米田さんが叶えた「地域で、家族と、自分らしく」

中世古祐里

高齢化社会へと突入した今、「楽しみ」や「生きがい」が人生の質(QOL)を支えと重要視されています。その中で、介護美容に携わる新しい専門職「ケアビューティスト」が誕生し、病院や施設、地域の高齢者の毎日に寄り添っています。

今回は、介護美容研究所 大阪校を卒業し、地域密着型ケアビューティストとして活躍する米田美穂さんをご紹介します。自分らしさと家族との時間を大切にしながら、介護美容を“文化”として広めようとする米田さんのリアルな活動や、乗り越えてきた困難、成功の秘訣をお届けします。「自分にもできるかも」と思えるヒントが詰まっていますので、ぜひ最後までご覧ください!

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現在の活動:”介護美容を贈ろう”を文化にしたい

INTERVIEW

米田美穂さん
4人のお子さんを育てるママケアビューティスト。
両親の介護を経験した際、病院や施設からの最大限のサポートに感激し「介護業界に恩返し」することを決意。その後、”介護美容”に出会い2023年介護美容研究所 大阪校に入学。在学中にウェルネスケアサロン「CRESTAGE」をオープン。卒業後はケアビューティストとして地域密着型スタイルで施設や個人へ介護美容を提供している。『介護美容を贈ろう』を新たな文化にすべく、セミナーにも登壇するなど日々奮闘中。SNS発信にも力を入れ、オンラインマーケティング講座も開講。

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現在はケアビューティストとして特養、ケアハウス、グループホームなど様々な形態の施設4軒と契約を結び定期訪問をするほか、個人契約でも20名ほどの顧客を抱え、多忙を極めています。

個別契約の利用頻度は月1回の方もいらっしゃれば、3ヵ月に1回の方も。まちまちですね。施設への定期訪問は月6~8回くらい、毎月通っています!

また、介護美容研究所に在学している頃からサロンもオープンしており、エステをメインにメニューを展開、オンラインで化粧品販売も行っているとのこと。サロンの稼働は月6日まで、最終受付時間も13時までと運営設定にもこだわりがあるといいます。

サロンをやることによって介護美容が出来なくなるっていうことは一番避けたかったことなので。絶対にこっち(介護美容)を軌道に乗せることを目標に、営業日数は最初から少なめにと決めていました。

そう語る米田さんは、今や地域で引っ張りだこの人気ケアビューティスト。
”母の日”や”敬老の日”などをはじめ、地域でのイベント活動も定期的に行うほか、セミナーにも登壇。
介護美容研究所が提唱する『介護美容を贈ろう』プロジェクトに賛同し、セミナーやSNS上でも、介護美容を”贈る”ことが文化として根付くよう発信を続け、日々奮闘しています。

『介護美容を贈ろう』とは?

世の中に「介護美容」を「贈る」文化を創り出すプロジェクトとして、介護美容研究所が提唱する合言葉。
「母の日」や「誕生日」等にプレゼントを贈るのと同様に、特別な日に、高齢者様のご家族様が「介護美容」をプレゼントする事が当たり前になるような世の中になる事を目標としております。

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地域密着スタイルを選んだ理由

米田さんの最大の特徴は、“地域密着型”というスタイル。現在の拠点である大阪市住吉区を中心に、自転車で片道10分以内で通える範囲でサービスを提供するところからスタートしました。

『そんな手広くやらなくても、自宅から半径2キロ圏内でオンリーワンになれたら勝ち!』って言われたんですね。

夫からのこのアドバイスに背中を押された米田さんは、自分が無理なく続けられるスタイルを確立します。

また、サロンを構えることにした理由もこれにつながっているようです。
地域で開催する介護美容のイベントで出会ったお客様は、80代90代でも元気でアクティブな方が多く、キレイになりたければ自らエステサロンやネイルサロンに足を運ぶ。今はそんな方々がたくさんいるのが当たり前の時代だということに気付き、アクティブシニアをはじめとした地域の方々に「美容ケア」や「生きがい」を提供する場を設けました。

地域に密着した活動を通して、社会福祉協議会や地域包括支援センターの方々とのつながりも生まれ、信頼を得ることで『介護美容といえば米田さん』と、知られる存在になっていきました。

家族の理解と応援が原動力に

米田さんは、4人のお子さんを育てるお母さんでもあります。介護美容を仕事にすると決めた背景には、「子供との時間を大切にしたい」という強い想いがありました。子どもたちの帰宅時間に合わせてスケジュールを組み、夫をはじめとする家族の協力を得ながら柔軟に仕事を調整しているそうです。

仕事も家庭も全部を両立するのは無理ですよね。一旦全部を頑張るのは諦めました(笑)

母親業は疎かになってしまっていたのではないかと振り返りながら、そう語る米田さん。
しかし、米田さんの想いはきちんとお子さんに伝わっていました。

三女は自分が大きくなったらケアビューティストになるって言っているんですよね。

お子さんを連れて現場に行った際には、お子さん自ら高齢者と触れ合いを重ねたり、イベントではチラシ配りを自主的に行い手伝ってくれることも。

家族が応援してくれるっていうのは、本当にありがたいし、嬉しいですね。

継続率100%の秘訣は“信頼と配慮”

今では一人で多くの顧客を抱えている米田さんですが、驚くべきことは、これまで一度も契約を解約されたことがないということです。これほどまでの信頼関係を築く秘訣は、一体何なのでしょうか。

米田さんは、施設に訪問する度に積極的に職員に声を掛けるなど、少しずつ信頼を築いていったといいます。

また、介護美容を行う際も、職員の手を煩わせたり、業務に支障をきたすことのないように、密に連携をとりながら柔軟に対応できるように工夫をしているといいます。

一人ではできないし、多くの方の協力あってこその活動。そもそも、施設のお荷物になるならやる意味がないと思っているので。

最初は介護美容に馴染みがなくリアクションが薄かった職員も、徐々に米田さんと介護美容を受けれてくれるように。今では施設のチームの一員として迎え入れられ、米田さんの美容ケアはなくてはならない存在になっています。

華やかに見える裏には葛藤と努力が

在学中から精力的に活動していた米田さんですが、当初は苦労の連続だったといいます。

米田さんが直面した3つの壁
  1. 「なぜ、介護美容なのか」
  2. 「普通の美容サロンと何が違うのか」
  3. 「なぜ、米田さんでなければならないのか」

これらの答えを出すことには難しさがあり、更には営業先では心無い言葉を投げかけられて落ち込むこともありました。

特に苦労したのは、体験会から契約に繋げるための導線づくり。活動を始めた直後から、ワンコインでの体験会を地道に続けていましたが、今のような華々しい活躍に至るまでには実に1年半もの時間がかかりました。
手本となるロールモデルもいない中での開拓だったため、すべてが手探り状態。「誰が、何に困っているのか」を見極めながら、諦めずに自ら道を切り拓いていきます。

絶対に、これから世の中に必要なケアだという確信があったから。

米田さんの中には、どんな時も揺るがない気持ちがありました。

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手に入れた理想の働き方とリアルな収入例

米田さんは行事に合わせたイベントを積極的に開催し、在学中から既に売上5万円を記録するなど、成果を上げてきました。最近では母の日の贈り物として美容ケアのギフトチケットを販売。2万円近い価格にも関わらず、60枚以上が購入され、多くの売上を上げるほか、商品価値をしっかりと伝えられるまでになりました。

現在の収入は、月に35万円を下回ることはなく、安定した収益を確保しているといいます。

そして、何よりも大切にしてきた「子どもとの時間」。

子どもの成長は本当にあっという間だから、一緒に過ごせる時間を大切にしたい。

絶対に介護美容で経済的自立も時間の自由も家族の幸せも手に入れるのだという強い気持ちで走ってきました。

米田さんが考える、成功までの行動ポイント!
  1. 月1回必ず地域密着型の体験会を行う
  2. 怖くても施設に挨拶回りに行く
  3. SNSの発信も仕事の一環と思ってサボらない

家族を犠牲にすることなく、介護美容の道でその理想の生活を叶えるために、米田さんは”ただひたすらに、地道にコツコツ”と活動を続けたことで実を結ぶことができました。
未来の「成功した自分」を在学中から常にイメージしながら行動し、そこに近づくために毎日を積み重ねてきたと振り返ります。

これからの展望:介護美容をより身近に

現在の米田さんの活動は多忙を極め、新規の施設契約は一時的にストップしている状態。今後は信頼できる仲間と活動を広げるために、自身が開講する講座から認定講師を全国に輩出し、関東・中部・九州エリアへとネットワークを広げていく予定だそうです。

『心で仕事ができる人にお願いしたい』と、ただ人手を増やすのではなく、想いを共有できる仲間選びにも妥協はありません。

そして米田さんが掲げる最大の目標は、『ケアビューティストという職業の価値を高めること』だといいます。

介護の現場では、「美容=ボランティア」といった空気が残っています。無償で美容ケアを届けてくれる方々の存在は尊く、支えられている利用者も多いでしょう。こうした想いから生まれる時間は、何にも代えがたい価値があります。
一方で、介護が必要になっても「おしゃれを楽しみたい」「きれいでいたい」と願う気持ちに対して、美容をサービスとして自分で選び、受けられる環境があることも、また大切なことだと米田さんは考えています。
対価を払ってでも受けたいと感じてもらえることが、その人らしさや楽しみを支えることにつながるー。介護美容が誰かしらの暮らしの中で、身近で当たり前に必要とされる存在として社会に広がっていくよう、米田さんは未来を見据えて活動を続けていきます。

最後に:米田さんからのメッセージ

誰かを輝かせながら自分も輝くことができる。こんなにも自分自身のQOLが上がるお仕事、この世のどこ探したってないと思います。あなたを必要としている人が沢山いるから、どうか諦めないで前進し続けてください!これからもどんどん介護美容一緒に盛り上げていきましょうね🔥

まとめ

子育ても、家庭も、仕事も。どれも大切にしながら、自分らしい働き方を見つけてきた米田さん。その姿は、まさにこれから介護美容の世界を目指す人たちにとっての“ロールモデル”といえるでしょう。

一歩一歩自分の道を切り拓いてきた米田さんの姿には、何かに挑戦しようとしている人たちに「自分にもできるかもしれない」と思わせてくれるリアルな説得力とヒントがたくさん詰まっています。

米田さんをはじめ、たくさんの人々の力で介護美容がより社会に根付き、必要とされる文化として広まっていくことを願っています。

介護美容を学ぶなら専門スクールがおすすめ

介護美容研究所は、高齢者向けのヘア・メイク・ネイル・トリートメントなどの施術技術を学ぶことができるプロスクールで、卒業後はケアビューティストとして活躍することができます。

現在、東京校・横浜校・名古屋校・梅田校(大阪)・心斎橋校(大阪)・福岡校の6拠点で開校しており、これまでに2,400名以上のケアビューティストを輩出しています(2025年4月現在)。
実践的なスキルを学ぶ現場実習のほか、卒業後の転職サポートも提供しており、学ぶだけでなくキャリアを築くためのサポートが充実しています。

介護美容研究所では、介護美容に興味を持ってくださった方を対象に、カリキュラムの内容や講座料金などの詳細を記載したパンフレットを無料でお送りしています。
興味のある方は、まずは無料で資料をご請求ください。

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